この記事のポイント
- 格安SIMとは、格安料金で利用できるSIMカード(携帯会社)を意味する
- 格安SIM最大のメリットは、スマホ代を半額以下まで落とせる安さ
- 一番のデメリットである12時から13時の速度低下を許容できるなら、格安SIMを利用すべし
「格安SIMって何?メリット・デメリットを知りたい!」
スマホ代を大幅に安くできる格安SIM(格安スマホ)。しかし、詳しいサービス内容はよく分かりませんよね。
メリット・デメリットは事前に知っておきたいところ。特に、デメリットが気になります。
この記事では、格安SIMとは何か詳しく解説。ユーザーの口コミや自身の体験も踏まえ、どんな人におすすめなのかまとめてみました。
1.格安SIM(格安スマホ)とは?
格安SIMとは、その名の通り格安料金で利用できるSIMカード(携帯会社)を意味します。
格安SIMは格安スマホやMVNOと表記されることもあるが意味は同じ
SIMカード(個人情報を記録するICチップ)はスマホ内に格納されています。
SIMカード
このSIMカードを格安SIMに入れ替えることで、文字通り格安料金を実現できます。
SIMカード入れ替えイメージ
[safe title=”POINT”]格安SIMに乗り換えても、現在の電話番号を引き続き利用できる[/safe]格安SIMの仕組みを簡単に説明すると以下の通りです。
格安SIMの仕組み
[safe title=”POINT”]電波の入りやすさはキャリアと同じ(使用する回線が同じなので)[/safe]ざっくり説明すると、格安SIMは大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から回線をレンタルして運営しています。
自社で回線設備を持たず、さらに実店舗の展開を控えることで格安料金を実現しています。
さらに詳しく格安SIMの仕組みを知りたい方は、「MVNOとは?」の記事を参照してください。
CHECK!
2.格安SIM(格安スマホ)の普及率はどれくらい?
格安SIMの普及率は年々増加しています。2017年頃は10%程度でしたが、現在の普及率は20%を超えています。
格安SIMの普及率(出典:MMD研究所)
およそ5人に1人は格安SIMユーザーなので、十分に普及していると言えるでしょう。
ちなみに、格安SIMが本格的に登場した2014年はわずか0.6%のユーザー数だったので、いかに急増したのかよく分かります。
また、純増減数の推移においては、既にキャリアと同レベルです。
キャリア(MNO)と格安SIM(MVNO)の純増減数(出典:総務省)
現在はキャリアの格安プラン(ahamo・povo・LINEMO)登場により格安SIMの純増数はやや鈍化していますが、それでも小容量向けのプランはまだまだ安いです。
全スマホユーザーの6割は月3GBも使いません。3GB以下の利用ならキャリアの格安プランより格安SIMの方が圧倒的に割安ですよ。
3.格安SIM(格安スマホ)のメリット
①スマホ代が劇的に安くなる
論より証拠。こちらが、実際の格安SIMの利用料金です。
格安SIM(UQモバイル)の利用料金
端末代金の分割払い(1300円)が終われば月額3000円
僕はauからUQモバイルに乗り換えたのですが、スマホ代が半額になりました。端末代金の支払いが終われば、毎月5000円も安くなります。
- au:8000円
- UQモバイル:3000円
※データ容量はどちらも10GBくらいの使用
UQモバイルは格安SIMの中では料金が高い方です(その代わり回線品質が良い)。もっと安い格安SIMなら毎月のスマホ代を2000円に抑えることも可能です。
言わずもがな、スマホ代は一生かかる経費。年間だと約5万円の経費削減ですが、2年3年5年10年・・と続けば、とんでもない差となります。
[safe title=”POINT”]料金が安くなる利点は、格安SIMのデメリットをすべてカバーできるほどの破壊力[/safe] [note title=”TOPIC”]通話料(30秒あたり20円)は大手キャリア・格安SIMともに同じ[/note]②テザリング料金が無料
テザリングとは、スマホをWi-Fiルーター化してパソコン・ゲーム機・タブレットなどをネット接続する機能のことです。
格安SIMではテザリング料金がかかりません。対して、auとソフトバンクは月額500円のテザリング料金が取られます。
毎月500円の差は積み重なると大きいので、テザリングを重視するなら格安SIMを使いたいところです。
4.格安SIM(格安スマホ)のデメリット
①回線混雑時に速度が落ちる
格安SIMは大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から回線を借りて運用しています。そのため、回線が混雑する時間帯は帯域幅の優先度を下げられて速度低下を起こします。
大手キャリアは自社ユーザーを優先するため、格安SIMの帯域幅は二の次となるのです。
回線混雑のイメージ
特に速度低下しやすいのが、お昼12時半頃です。この時間帯はお昼休みと重なりスマホ利用者が急増します。
酷い場合は1Mbpsを切り、動画再生やテザリングが使えません。
格安SIMの速度は各社異なるので、気になる方は以下の比較表をご参考に。
格安SIMの速度比較(クリックで拡大)
大手キャリアの速度は40Mbps程度
なお、12時から13時の時間帯を除けば、ほとんどの格安SIMで平均20Mbps程度が出ます。スマホの用途なら3Mbpsあれば何でもできるので、必要十分な速度です。
速度低下しない例外の格安SIMあり
格安SIM=お昼に速度低下すると捉えて問題ありませんが、一部例外があります。それが、
の2社です。
ワイモバイルは格安SIMながら自社回線を使用しています。そのため、回線混雑が起きず大手キャリアと変わらないスピードを誇ります。
UQモバイルはauから回線を借りていますが、auとは同じグループ会社なので優遇されています。
格安SIMでも安定した速度を求めるなら、ワイモバイルかUQモバイルを選ぶといいですよ。
②口座振替対応が少ない
格安SIMの支払い方法はクレジットカードがメインです。理由はあくまで憶測ですが、信頼調査にかかるコストを削減したいからでしょう。
クレジットカード保有者なら社会的な信頼が担保されているので、格安SIMにとっては料金未払いのリスクを防げます。
クレジットカードを持っていない人は口座振替かデビットカードを利用するしかないのですが、格安SIMでは選択肢が非常に少ないです。
口座振替対応の格安SIM
利用制限 | WEB申し込み | |
---|---|---|
UQモバイル | なし | 可 |
楽天モバイル | 端末代金不可 | 可 |
LINEモバイル | LINE Pay払い | 可 |
BIGLOBEモバイル | データSIMのみ | 可 |
OCNモバイルONE | なし | 不可 |
ワイモバイル | なし | 不可 |
@モバイルくん | データSIMのみ | 可 |
もしもシークス | 代理店のみ | 不可 |
デビットカード対応の格安SIM
- 楽天モバイルのみ(スルガ銀行か楽天銀行のデビットカードを使用可)
口座振替を利用したい場合は、実質UQモバイル一択です。その他の格安SIMは面倒な条件が付くうえ審査落ちのリスクが高まります。
デビットカード払いでは楽天モバイル(キャリア移行したが実質的な格安SIM)しか正式対応していません。
クレジットカード不要!口座振替対応のおすすめ格安SIMを比較【2022年】
分割支払い可!デビットカードが使えるおすすめの格安SIMを比較【2022年】
③初期設定を自分で行う
手持ちの端末を使って格安SIMに乗り換える場合、自分で初期設定する必要があります。
やるべきことは、
- SIMカードを差し替える
- APN設定を行う(インターネット接続設定)
の2点です。
端末セット契約なら初期設定は不要
聞き慣れないAPN設定が心配かと思いますが、意味が分からなくてもマニュアル通り進めれば5分以内に終わります。
どうしてもやり方が分からない場合は、有料のサポートオプションを利用できます。
難しい?格安スマホ(格安SIM)の初期設定を図説【5分で完了】
④LINEのID検索ができない
格安SIMではLINEのID検索ができません。その理由は、年齢認証ができないからです。
LINEの年齢認証はキャリアのシステムを採用しているため、格安SIMでは通りません。
対処法としてはふるふるやQRコードなどID検索以外の方法で友達登録すればOK。正直、ID検索ができないデメリットはほとんど感じません。
基本はID検索不可の格安SIMですが、
の2社は例外として利用OKです。ID検索を重視する方は、上記の2社から選びましょう。
格安SIM(格安スマホ)でLINEのID検索ができない問題の対処法
⑤最新iPhoneを購入できない
アップルユーザーにとって致命的なのが、こちらのデメリット。格安SIMでは、最新iPhoneを購入できません。
iPhone SEは最新版がありますが、正規シリーズ(iPhone 11、12・・)の販売はおよそ2年遅れのiPhoneです。
なぜ格安SIMで最新iPhoneを取り扱わないかは大人の事情あり。
憶測ですが、格安SIMで最新iPhoneを取り扱うとキャリアユーザーが大量に流出してしまうため、大手キャリアがアップルと契約して食い止めているのだと思われます。
アップルストアのSIMフリー版iPhone(最新OK)なら格安SIMと組み合わせられる
どうしても最新iPhoneを格安SIMで使いたいなら、アップルストアのSIMフリー版iPhoneを購入しましょう。
実は、アップルストアのiPhoneはキャリア版より安く金利負担なしで分割払いできます。格安SIMではSIMのみ契約を行い、SIMフリー版iPhoneと組み合わせて利用できます。
⑥実店舗のサポートが手薄
大手キャリアでは当たり前に使えるキャリアショップ(店舗)のサポート。コスト削減に力を入れる格安SIMは、電話・チャットサポートがメインです。
例外として、ワイモバイルとUQモバイルは全国にショップ展開しており、店舗サポートが手厚いです。ワイモバイル以外は、家電量販店のSIMフリーカウンターが店舗窓口です。
残念ながら家電量販店の窓口は、新規契約のサポートしかありません。契約後のアフターケアは受けられないので注意が必要です。
端末が故障した時は、メーカーに自分で問い合わせる(保証オプションに入っていない場合)
CHECK!
5.通話品質・繋がりやすさは変わらない
格安SIMは大手キャリア(au・ドコモ・ソフトバンク)の回線をレンタルしているので、通話品質と通信エリアは同じです。
通話が途切れたら、そもそも圏外エリアにいるのが原因です。人が住む地域なら、田舎でもしっかりと通話・通信できます(人口カバー率99%)。
沖縄の離島でも繋がる
6.実際どうなの?ユーザーの口コミを調査
格安SIMを利用するユーザーの評判・口コミを集めてみました。
Softbankから格安スマホのYmobileに変えた私。
格安スマホに変えても、まったく不便がない、ってことを今宵お知らせしておこうかと。ね(笑)
— yamapan1 (@yamayam1) November 14, 2020
固定費削減の費用対効果は恐るべしです😋
私の場合格安SIMに変えた事により月に5,000円の節約に。
つまり、1年で60,000円の節約。
仮に年に60,000円の配当金を得たい場合には約120万円の資産が必要です(税引き後利回り5%)
まずは固定費削減から。#株初心者#投資家と繋がりたい
— パオちゃん@現場監督投資家 (@paaaochan) November 16, 2020
ついに18年使ったauから格安SIMにした🌟携帯代半分くらいになるから嬉しい💐
— Yasumi◡̈♥︎ (@yasumi0803) November 11, 2020
僕は、格安SIMに変えて、めっちゃ良かったです😆
— 政幸庄内 (@masayuki_shyona) November 15, 2020
やはり料金が大幅に安くなるとの口コミが多数。誰でも簡単に、1年で6万円ほど固定費を削減できるのは衝撃が大きいようです。
まったく不便が無いとの高評価も。
意外にもサポート手薄の悪評は見当たらず。速度に関しても、それほどマイナス意見はありませんでした。
実際、僕自身も長年格安SIMユーザーですが、今のところキャリアに戻ろうと思い直したことはありません。大好きな動画・ゲームも普通に楽しめています。
7.格安SIM(格安スマホ)がおすすめな人・おすすめでない人
メリット・デメリットやユーザーの評判から、格安SIMがおすすめな人・おすすめでない人を以下にまとめます。
おすすめな人
- 毎月のスマホ代を劇的に安くしたい
- 分からないことはある程度自分で調べられる
- テザリングのオプション料金が許せない
おすすめでない人
- 12時から13時の速度低下を許容できない
- 対面サポートが無いと困る
- 最新iPhoneを回線とセットで購入したい
ずばりスマホ代を安くしたい方は、格安SIMに向いています。7000~8000円のスマホ代が3000~4000円に。
小容量で済むなら2000円以下に落とせます。年間5万円の節約が数年続くとしたら、恐ろしい差です。
一部の格安SIMを除いて12時から13時は速度低下するので、ここが我慢ポイント。許容できるなら、格安SIMに乗り換えましょう。
CHECK!
8.格安SIM(格安スマホ)の始め方
格安SIMは以下の流れで乗り換えます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP1:MNP予約番号を取得する
MNP予約番号とは、今使っている電話番号を格安SIMへ引き継ぐ際に必要な10桁の番号のことです。
取得方法は、店舗・WEB、電話の3種類あります。最も簡単なのが電話取得です。
MNP予約番号の取得先
- ドコモ:151(受付:9:00〜20:00)
- au:0077-75470(受付:9:00~22:00)
- ソフトバンク:*5533(受付9:00~20:00)
ドコモの方は、My docomoからもMNP予約番号を取得できます。au、ソフトバンクはオンラインだとガラケーからの取得しか対応していません。
最近はあまり無いのですが、ときどきオペレーターからポイント付与などを餌に引き止められる場合があります。その場合は、強い意思で断りましょう。
MNP予約番号を取得した時点では解約扱いにならず、通話もデータ通信もできる状態なので安心して下さい。MNP転出手数料(3000円)もこの時点ではかかりません。
新しい電話番号を取得したい方は、MNP予約番号の取得は不要
STEP2:格安SIMに申し込む
多くの格安SIMは、MNP予約番号の有効期限が11日~13日残っていることが契約条件となるため、すぐに申し込みを行います。
格安SIM選びのヒント
おすすめ格安SIM
申込みは店舗・オンラインのいずれかで行いますが、通常はキャンペーンが充実しているオンライン契約を選びましょう。
格安SIMの申込み手順
- 格安SIMの公式サイトにアクセス
- 端末セット・SIMカード単体契約を選択
- 音声通話SIMを選択
- 料金プランを選択
- MNPの有無を選択
- 契約者情報を入力
- 支払情報を入力
- 本人確認書類をアップロードして申込み
※データSIM(通話機能なし)を選ぶと通話できないので注意
電話番号を引き継ぐ方は、MNPの有無を選択する場面でMNPありを選びましょう。MNPありにすると、MNP情報を入力欄が表示されます。
MNP情報を入力欄
こちらに、
- MNP予約番号
- 電話番号
- MNP予約番号の有効期限
の3点を入力してください。その他の項目は画面の指示に沿って入力していけば大丈夫です。
申し込み後、SIMカードの到着を待つ間は格安SIM乗り換え前の携帯会社で通話もネットも使えるのでご安心を。
[note title=”TOPIC”]端末選びに迷うならおすすめのSIMフリースマホの記事をご参考に[/note]STEP3:開通手続き(回線切り替え)を行う
SIMカードが届いたら、開通手続き(回線切り替え)を行います。
開通手続きの手順は、格安SIMによって異なりますが、
- マイページから手続き
- 専用ダイヤルへ連絡
の2パターンです。詳しい手順は送付されるマニュアルに記載されているので確認してみましょう。
開通手続きの説明
開通手続きが終わると、15分から1時間程度で回線切り替えが完了します(時間帯が遅ければ翌日切り替え)。
以前の携帯会社は回線切り替えが完了したと同時に自動解約となります(連絡は不要)。
[safe title=”POINT”]開通手続きを行わない場合は、数日経てば自動開通となる[/safe]SIMのみ契約の方は、最後に初期設定(APN設定)を行う
番号そのまま!格安SIMにMNP転入する手順とは?【乗り換え前の準備も分かる】
9.まとめ
格安SIM(格安スマホ)は、SIMカードを入れ替えて文字通り格安料金でスマホを使うことができます。
普及率20%を超える勢いの格安SIM。今後もますますユーザー数が増え続けるでしょう。
メリットは何といっても安さ。SIMカードを変えるだけでスマホ代が半分以下になるのは大きな魅力です。
デメリットは、お昼12時半頃の速度低下が最も大きいです。ここをクリアできるなら、十分に格安SIMへ乗り換える価値はあるでしょう。
【2021年】スマホ代を劇的に下げるなら?
安さ重視→楽天モバイル
1GB以内なら0円、20GBでも全携帯会社で最安の2178円に。さらにRakuten Linkで通話料はどこにかけても無料です。
今なら誰でも5000ポイント還元&3ヵ月無料キャンペーン中。ポイント還元で実質0円の端末もあり。iPhoneは最安値で購入できます。
月額料金 | 初期費用・解約金 | iPhone販売 |
---|---|---|
0円~ | 0円 | あり |
品質重視→LINEMO
ソフトバンク回線をそのまま利用するLINEMOは通信品質が良好です。料金は、3GB 990円と20GB 2728円の2種類のみ。
LINEアプリはデータ消費なしで使い放題。キャリア品質なのに格安SIMより割安です。通話重視なら、無制限かけ放題を利用できます。
月額料金 | 初期費用・解約金 | iPhone販売 |
---|---|---|
990円~ | 0円 | なし |