ZenFone 5はASUSから発売されているSIMフリースマホです。2014年にASUSが日本で初めて発売した「ZenFone 5」と同名のスマホが、4年の歳月を経てパワーアップして帰ってきました。
「AI機能」が最大の特徴で、カメラやパフォーマンス、バッテリー管理などあらゆるところにAIが活用されています。単にスペックが高いだけでなく、AIによる新しいスマホ体験をしたい人におすすめです。今回はZenFone 5のスペックや特徴、実際に使ってみた使用感などを解説します。
1.ZenFone 5のスペック
ここからはZenFone 5のスペックを見ていきましょう。
1-1.スペック一覧表
ZenFone 5のスペックを一覧表にまとめました。
発売日 | 2018年5月18日 |
---|---|
メーカー | ASUS |
サイズ | 高さ:約153mm 幅:約75.6mm 厚さ:約7.7mm |
重量 | 約165g |
画面サイズ | 6.2インチ、FHD+ 2246×1080 |
OS | Android 8.0 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 636 (オクタコアCPU) |
RAM | 6GB |
ROM | 64GB |
カメラ性能 | アウトカメラ:1200万画素+800万画素 インカメラ:800万画素 |
外部メモリ | microSDXC/SDHC/SD (最大2TB) |
SIMサイズ | nano SIM×2 |
通信方式 | FDD-LTE: B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B28 TD-LTE: B38/B39/B41 W-CDMA: B1/B2/B3/B5/B6/B8/B19 GSM/EDGE: 850/900/1,800/1,900MHz Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
バッテリー 容量 |
3,300mAh (急速充電対応) |
本体カラー | スペースシルバー シャイニーブラック |
デュアルSIM | 〇(DSDV対応) |
防水 | × |
おサイフ ケータイ |
× |
1-2.ZenFone 5の特徴
ZenFone 5の特徴をまとめてみました。
- 3Dゲームもサクサクプレイできる高いスペック
- AIによるシーン判別も可能な高性能カメラ
- AIブーストやAIバッテリーといった多数のAI機能を搭載
- 3キャリアVoLTE & DSDV対応
ZenFone 5はミドルハイクラスのスマホですがスペックは比較的高いです。とくにメモリが6GBとハイスペックスマホ並みで、3Dゲームなども安定してプレイできます。AI機能に対応したカメラは高性能で、誰でも簡単に高品質な写真を撮影可能です。5万円前後のスマホとしては十分すぎるクオリティです。
AIはカメラ以外にも生かされています。処理速度を一時的に上げる「AIブースト」やバッテリーの充電状況を学習して過充電を防ぐ「AIバッテリー」など、どれも便利で革新的な機能ばかりです。少し地味ですが、3キャリアのVoLTEとDSDVに対応したのも大きなポイントです。これは国内で発売されたSIMフリースマホでは初めてで、とくにau系格安SIMを他の格安SIMと組み合わせたい時に力を発揮します。
1-3.端末の使用感
ZenFone 5を実際に使用した感想は快適の一言に尽きます。ハイスペックスマホではないものの、処理速度が非常に速くサクサクと動作します。スワイプや文字入力でつっかかることもなく、とにかくスムーズです。メモリが6GBと大容量なこともあり、3Dゲームも問題なく動作しますし発熱も少ないです。
カメラはAIが自動でモードを切り替えてくれるので、とくに難しいことを考えずにシャッターを切るだけできれいな写真を撮影できます。ポートレートモードも自然に背景がぼけるので、一眼レフで撮ったかのような写真が撮影可能です。手軽に高品質な写真が撮影できるので、以前よりも写真を撮るのが楽しくなりました。
少し気になったのは本体サイズがやや大きく、重量も重くてズッシリしている点です。手が小さい人や女性だと少し持ちにくいかもしれません。全体的に不満は少なく、とにかく快適に使えています。50,000円という価格は決して安くはないですが、購入してよかったと素直に思えるクオリティです。
1-4.外観・デザインの感想
ZenFone 5の外観は高級感のある美しいデザインです。背面は8層におよぶ光学コーティングで仕上げたガラスボディを採用しています。真ん中の指紋センサーを中心に、光が同心円状に輝いて見えるのは他のスマホにはないZenFoneならではの特徴で非常に美しいです。
カラーリングはスペースシルバーとシャイニーブラックの2種類です。どちらもスタイリッシュかつ落ち着いた色合いで、シーンを選ばず利用できます。
1-5.ZenFone 5Q(ZenFone 5 Lite)と比較
ZenFone 5のスペックを同じZenFone 5シリーズである「ZenFone 5Q」と比較してみました。
ZenFone 5 | ZenFone 5Q | |
---|---|---|
発売日 | 2018年5月18日 | 2018年5月18日 |
メーカー | ASUS | ASUS |
サイズ | 高さ:約153mm 幅:約75.6mm 厚さ:約7.7mm |
高さ:約160.5mm 幅:約76mm 厚さ:約7.7mm |
重量 | 約165g | 約168g |
画面 サイズ |
6.2インチ、FHD+ 2246×1080 |
6インチ、FHD+ 2160×1080 |
OS | Android 8.0 | Android 7.1.1 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 636 (オクタコアCPU) |
Qualcomm Snapdragon 630 (オクタコアCPU) |
RAM | 6GB | 4GB |
ROM | 64GB | 64GB |
カメラ 性能 |
アウトカメラ:1200万画素+800万画素 インカメラ:800万画素 |
アウトカメラ:1600万画素+800万画素 インカメラ:2000万画素+800万画素 |
外部 メモリ |
microSDXC/SDHC/SD (最大2TB) |
microSDXC/SDHC/SD (最大2TB) |
SIM サイズ |
nano SIM×2 | nano SIM×2 |
バッテリー 容量 |
3,300mAh(急速充電対応) | 3,300mAh |
本体カラー | スペースシルバー シャイニーブラック |
ミッドナイトブラック ルージュレッド ムーンライトホワイト |
デュアル SIM |
〇 (DSDV対応) |
〇 (DSDS対応) |
防水 | × | × |
おサイフ ケータイ |
× | × |
ZenFone 5はミドルハイクラス、ZenFone 5Qはその下位モデルということで、全体的にスペックはZenFone 5のほうが高いですね。CPUはどちらもSnapdragon 630番台で、処理速度はそこまで変わりません。しかし、ZenFone 5はメモリが6GBと大容量なので、複数のアプリを起動した際の安定感が優れています。
AIブーストやメモリを優先的に振り分けるOptiFlexといった機能を使うことで、パフォーマンスをさらに向上されることも可能です。ハード的にもソフト的にも、ZenFone 5のほうがスペックは上ですね。カメラについても、アウトカメラはZenFone 5のほうが高性能です。AIによるシーン判別で簡単に高品質な写真が撮影できますし、ポートレートモードによる本格的な写真を撮影できます。
ただ、インカメラはZenFone 5がシングルレンズなのに対して、ZenFone 5Qはデュアルレンズになっています。画素数も非常に高いので、自撮りをよく撮るならZenFone 5Qのほうがおすすめです。その他で大きく異なるのが通信周りです。ZenFone 5は4G+4Gで待ち受けできる「DSDV」に対応しており、DSDSでは不可能だったau VoLTE + au VoLTEやソフトバンクVoLTE + au VoLTEといった組み合わせを実現することができます。
一方、ZenFone 5Qは従来通りDSDS対応にとどまっています。その代わり、SIMカードスロットとは別にmicroSDカードスロットが用意されている「トリプルスロット」なので、DSDSとmicroSDカードの併用が可能です。
まとめると、
- スペックと背面カメラを重視する人、DSDVを使いたい人:ZenFone 5
- 自撮りをする人、DSDSとmicroSDカードを併用したい人:ZenFone 5Q
といったように選ぶと良いでしょう。
1-6.AnTuTuベンチマーク
ベンチマークとはスマホの性能を比較・評価するための指標のことを言い、ベンチマークの結果として表示されるスコア(数値)をベンチマークスコアと言います。ここでは、スマホ用のベンチマークアプリ「Antutu」を使ってZenFone 5のスコアを計測してみました。
- CPU:55577
- GPU:21173
- UX:41089
- MEM:6981
- 全体:124820
総合スコアは124820でした。スコア10万オーバーはミドルハイクラスに位置付けられ、スペックが十分に高いことを意味します。これだけスコアが高ければ、3Dゲームもサクサク動作するのも納得です。なお、ZenFone 5にはAIによってパフォーマンスを向上させる「AIブースト」という機能があります。
さきほどはAIブーストオフ時のスコアでしたが、AIブーストをオンにしたときのスコアも計測してみました。
- CPU:63547
- GPU:21131
- UX:45576
- MEM:8534
- 全体:138788
AIブーストをオンにすることで、全体スコアが14,000ほどアップしました。もともとのスコアも十分高かったですが、AIブーストを利用することでより処理速度が向上します。3Dゲームなど負荷の大きいアプリを利用する際はAIブーストをオンにすると良いでしょう。
2.ZenFone 5のカメラ性能
ZenFone 5は「We Love Photo」というコンセプトの通り、カメラ性能が高いスマートフォンです。背面カメラは1200万画素+800万画素のデュアルレンズカメラになっています。SONY製センサー、F値1.8の大口径レンズ、光学式手ぶれ補正と電子式手ぶれ補正を搭載するなどハード的にも優れていますが、やはり注目すべきは「AI」に対応していることです。
AIが被写体を判別し、「フード」や「フラワー」などその被写体に合ったモードを自動で選択してくれます。オートモードでシャッターを切るだけで本格的な写真が撮影可能です。背景をぼかすポートレートモードにも対応しており、一眼レフで撮影したかのような雰囲気の写真も撮影できます。
ZenFone 5のカメラはハード・ソフトの両面で優れており、カメラ性能を重視する人でも満足できる仕上がりです。
3.ZenFone 5のおすすめポイント
ここからはZenFone 5のおすすめポイントを詳しく見ていきます。
(1)3Dゲームもこなせる高いスペック
ZenFone 5は比較的スペックが高いです。CPUにはQualcomm製の「Snapdragon 636」を搭載しています。高性能なミドルハイクラスのCPUで、処理速度が速いです。6GBという大容量メモリも合わさって、ZenFone 5の動作は快適そのもの。
3Dゲームもよっぽど重いものでなければなんなくこなせます。もちろん上を見ればキリがないですが、5万円台のスマホとしてはかなりの性能です。
(2)ハイスペックスマホにも負けない高いカメラ性能
さんざんこの記事でも触れていますが、ZenFone 5のカメラ性能はハイスペックスマホにも劣らないほど高いです。AIが被写体に合った最適なモードを選んでくれるので初心者でもきれいな写真が撮れますし、ポートレートモードやマニュアルモードを使ってこだわりのある写真を撮影することもできます。
こちらも、もっと高性能なカメラのスマホもあるにはありますが、5万円前後のスマホとしては十分な性能です。
(3)多彩なAI機能を利用できる
ZenFone 5ではカメラ以外にも様々なAI機能を利用できます。
- AIブースト:処理速度を向上させる
- OptiFlex:よく使うアプリに優先的にメモリを割り当てる
- AIバッテリー:充電方法を学習し、過充電を防ぐ
- AI着信音:周りの騒音レベルに合わせて着信ボリュームを自動調整する
- スマートスクリーン:画面を見ている間はスリープにならない
いずれも便利な機能ですが、とくに便利なのがOptiFlexです。よく使うアプリに優先的にメモリを割り当ててくれるほか、優先するアプリを指定することもできます。6GBという大容量メモリを存分に生かした機能です。
(4)国内では初となる3キャリアVoLTEとDSDVに対応
カメラやAI機能と比べると地味ですが、ZenFone 5の中でもとくに革新的なのが3キャリアVoLTEとDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応している点です。4G回線+4G回線で待ち受けできるDSDVに対応した機種はほとんどなく、3キャリアのVoLTEにも対応しているとなるとZenFone 5が初めてです。
これまでもDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応している機種はありました。しかし、DSDSだと2スロット目は3G回線しか使えないのがデメリットです。この影響を受けるのがau系格安SIMです。au系の格安SIMを使うにはau VoLTEに対応している必要があります。しかし、DSDSの2スロット目は4G回線が使えないので、au VoLTE SIMを挿して使うことができませんでした。
DSDVなら2スロット目も4G回線が使えるので、au VoLTE SIMも問題なく使えます。これまでは不可能だった、
- ドコモ VoLTE + au VoLTE
- au VoLTE + au VoLTE
- Y!mobile + au VoLTE
といった組み合わせが実現可能になっています。au VoLTE SIMを他の格安SIMと組み合わせて使いたい人にとっては待ちに待った機種ですね。
4.ZenFone 5の注意点
完成度の高いZenFone 5ですが、2つだけ注意点もあります。
(1)DSDV利用時はmicroSDカードが使えない
DSDVを利用できるのがZenFone 5のメリットの1つでした。しかし、2つ目のSIMカードスロットがmicroSDカードスロットも兼ねているので、DSDV利用中はmicroSDカードを使うことができません。ストレージは64GBとまずまずの容量がありますが、自慢のカメラで動画や写真をたくさん撮っているとすぐに容量がいっぱいになる恐れがあります。
(2)付属の充電器では急速充電ができない
ZenFone 5は独自の急速充電「ASUS Boost Master」に対応しており、バッテリーがなくなっても素早く充電することができます。しかし、付属の充電器では急速充電はできません。急速充電を利用する場合は別途18WのACアダプターを購入する必要があります。せっかく急速充電に対応しているのに、付属の充電器では使えないのはもったいないですね。
5.ZenFone 5を購入できるMVNO
ZenFone 5はMVNOからセット購入することも可能です。もともとZenFoneシリーズは国内での人気が非常に高いので、セットを取り扱っているMVNOも多いです。ZenFone 5を購入できるMVNOと販売価格をまとめました。
- BIGLOBEモバイル:2,200円×24回(一括不可)
- DMMモバイル:52,800円
- IIJmio:48,800円
- LINEモバイル:52,800円
- LinksMate:52,000円
- mineo:52,800円
- NifMo:48,889円
- OCNモバイルONE:52,800円
- QTモバイル:49,680円
- イオンモバイル:52,800円
- エキサイトモバイル:49,800円
- 楽天モバイル:52,800円
6.ZenFone 5の評価まとめ
以上、ZenFone 5の特徴やおすすめポイント、注意点などを紹介しました。ZenFone 5は約5万円とお手頃ながら高いスペックとカメラを搭載し、さらにAI機能やDSDV、顔認証といった最新機能を詰め込んだ完成度の高いスマホです。カメラにこだわりたい人や、AIによる新しい機能を使ってみたい人におすすめの1台です。