この記事のポイント
- MVNOはMobile Virtual Network Operatorの略称で、「エムブイエヌオー」とそのまま読む
- MVNOは自社で回線設備を持たない通信事業者を意味する
- MVNOに対して、回線を貸し出す通信事業者をMNOと言う
「MVNOって何?読み方や意味を詳しく知りたい!」
格安スマホ・格安SIMについて調べていると、必ず出てくる言葉がMVNOです。難しそうな専門用語ですが、どのような意味なのでしょうか。
この記事では、MVNOについてを初心者向けに徹底解説。デメリットについても考察していきます。
1.MVNOとは?読み方と意味
まず、MVNOを読むときは、そのまま「エムブイエヌオー」と言います。
MVNO、Mobile Virtual Network Operator(モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター)の頭文字を取った略称です。
Mobile Virtual Network Operatorを直訳すると仮想移動体通信事業者です。
仮想移動体通信事業者は非常に分かりづらい表現ですが、
- 仮想 → 実在しているように考える
- 移動体通信事業者 → 携帯電話を主とした通信サービス提供者
と分解して考えれば何となく意味がわかってきます。つまり、MVNOとは回線設備を持たずに(キャリアから借り入れ)、自社の通信サービスを提供する事業者を意味します。
MVNOの歴史は意外にも古く、2001年からサービスが実在していました。
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2.MVNOの仕組みと安さの理由
MVNO=自社で回線設備を持たずに通信サービスを提供する事業者とお伝えしたわけですが、ここではもう少し具体的に掘り下げます。
MVNOが事業として成り立つのは、大手キャリア(au、ドコモ、ソフトバンク)から通信網(データ通信回線、音声通話回線)を借り受けているからです。
MVNOの仕組み
通信エリアは大手キャリアと変わらない(人口カバー率99%)
この仕組みにより、本業が通信会社ではないイオンやTSUTAYAなどもMVNOの事業に参入で来ています。
MVNOが安い主な理由は、以下の2つです。
- 自社で回線設備を持たないため設備費用がかからない
- サービス内容を限定することで人件費を抑えている
全国に回線網を設置するのは想像以上に大変で、日々のメンテナンスや災害時の対応など莫大な費用がかかります。
これらの費用を抑えることができる代わりに、MVNOは格安のサービス料を実現できているのです。
また、MVNOはサービスを限定しています。サポートはネットか電話の受付が基本で、初期設定や端末故障の対応は行いません。
店舗も限定しているため、人件費を大幅に節約しています。至れり尽くせりの大手キャリアとは、大きく異なる点です。
主なMVNOリスト
3.MVNOの主なデメリット
通信速度が大手キャリアより劣る
大手キャリアと比べて通信速度はMVNOの方が劣ります。理由は、大手キャリアは自社のユーザーの帯域を優先するからです。
例えば、回線混雑が起きたとき、真っ先に優先されるのはキャリアユーザーです。回線を貸し出しているMVNOは後回しにされます。
そのため、スマホ利用者が急増しやすい正午や夕方の時間帯は、MVNOの通信速度が著しく低下します。1Mbpsを切ることも珍しくありません。
回線混雑のイメージ
日常使いには問題ない程度ですが、大手キャリアと比べてデータ通信の快適性は落ちるのが難点です。
手厚いサポートは期待できない
料金が安くなるメリットは、裏を返せば手厚いサポートが犠牲になっています。例えば、端末が故障しても代替機の貸し出しや修理受付は基本的にありません。
また、対面で料金プランを相談したり、操作のサポートを受けたりするのも難しくなります。
オプション扱いなら手厚いサポートが受けられますが、通常は電話とチャットのやり取りで乗り切るしかありません。
格安スマホの初期設定も自分で行います。
4.MVNOが急激に普及した背景
日本の携帯電話は、ドコモ・au・ソフトバンクが9割以上の契約を取ってきました。
そのため、3社間で企業競争はしているものの、ライバルが少ないせいか利用価格は高い水準を維持してきました。
この現状を良くないと思った総務省が、3社に向けて回線を貸し出す義務を通達。その結果、MVNOが誕生して一気に通信業界が活性化しました。
現在、MVNOの契約者数は全体の2割に迫る勢いです。
モバイル社会研究所より引用
今後は10人に3人はMVNOを利用する時代が来るのではと当サイトでは予想しています。
総務省の調べでは携帯電話契約の純増数では、既に大手キャリアをMVNOが上回っていると発表しています。
外部参考:電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(総務省)
5.MVNOとMNO(キャリア)の違い
MVNOに回線を貸し出す事業者をMNOと言います。MNOは、Mobile Network Operatorの頭文字です。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)から、Virtual(意味:仮想)を取ったのがMNOです。つまり、自社で回線設備を持つ通信事業者という意味になります。
MNOに該当する通信事業者は、
- ドコモ
- au
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
です。楽天モバイルはau回線と併用してのサービス提供ですが、いずれは自社回線100%の携帯会社を目指しています。
他社に回線は貸し出していませんが、ワイモバイルも自社回線を持つ通信事業者なので、実質格安SIMながら厳密にはMNOです。
6.MVNOとMVNEの違い
MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)とは、MNOとMVNOを繋ぐ中間業者です。
大手キャリアの回線をMVNO事業者が自社で接続するのは難しく、MVNEが間に入って接続をサポートしてくれます。MVNEの主な事業者は、OCNとIIJです。
OCNとIIJは、それぞれ自社のMVNOサービス(OCNモバイルONE・IIJmio)も運営しています。
7.まとめ
MVNO(仮想移動体通信事業者)回線設備を持たない通信事業者です。総務省主導で盛り上がりを見せるMVNO業界は、今後もますますユーザー数が伸びるでしょう。
デメリットもありますが、利用料金の安さを考えればメリットが上回るMVNO。あなたに自分にぴったりの通信事業者を探してみてくださいね。
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