日本国内なら大手キャリアとほぼ同じ使い方ができる格安SIMですが、海外でも利用することができます。ただし、ローミングで利用できるのは音声通話だけなど、大手キャリアとは仕様が異なります。
また、格安SIMの中には海外で利用するためのプリペイドSIMが用意されているものもあります。他にも現地のSIMやWi-Fiルーターを利用するといった方法もありますが、海外用プリペイドSIMを使うのがもっとも手軽でおすすめです。
今回は格安SIMを海外で利用する方法を紹介します。
1.格安SIMを海外で使うには?
格安SIMも海外で利用することはできます。しかし、使い勝手は大手キャリアと異なるところがあります。まずは格安SIMを海外で使う方法を見ていきましょう。
1-1.通話のみなら国際ローミングを利用する
データ通信の必要がなく、音声通話だけできれば良いのであれば国際ローミングを使いましょう。国際ローミングとは日本で契約しているスマホをそのまま海外で利用できる仕組みのことです。国際ローミングを使えば、現在使っているスマホと電話番号はそのままで海外でも音声通話が利用できます。
国際ローミング自体の利用料は無料で、申し込みも不要です。ただし、日本国内での通話と比べ、国際ローミングを利用した国際電話は通話料が非常に高いです。
例えばアメリカ本土の場合、
- 日本向け:140円/分
- 国内(アメリカ)向け:125円/分
- その他の国向け:265円/分
となっています。日本国内での20円/30秒と比べてもかなり高いですね。
1-2.国際ローミングの使い方
国際ローミングは格安SIMでも使えます。料金は無料ですが、別途申し込みが必要です。申し込み方法は格安SIMによって異なりますが、無料オプションとして提供されているので、基本的にはマイページから申し込みます。
国際ローミングを利用した電話のかけ方は通常の電話と同じです。スマホに最初から入っている電話アプリを利用しましょう。格安SIMの中には10分かけ放題などのかけ放題オプションを提供しているところがあります。
これらのかけ放題オプションは基本的には国内通話のみで、ローミング中や国際電話では適用されないことが多いので気を付けましょう。
1-3.データ通信はプリペイドSIMを利用する
音声通話は国際ローミングを使えば利用できることが分かりました。しかし、格安SIMでの国際ローミングではデータ通信が利用できません。海外でデータ通信を利用する方法はいくつかありますが、プリペイドSIMを利用するのがおすすめです。
プリペイドSIMはあらかじめ料金をチャージしておき、チャージした分だけ利用できるSIMカードのことです。事前にチャージした料金分だけ買い物ができるプリペイドカードのSIM版だと思ってもらえれば分かりやすいかもしれません。
格安SIM業者の中には海外用のプリペイドSIMを取り扱っているものもあります。現地でプリペイドSIMを購入することもできますが、格安SIM業者のプリペイドSIMなら国内で購入・設定ができますし、日本語のサポートも受けられます。
プリペイドSIMを使うには端末がSIMフリーである必要があります。SIMフリースマホなら現地のSIMカードも使えるので、海外に行くならSIMフリースマホを購入しておくと良いでしょう。
1-4.海外用プリペイドSIMのデメリット
海外に行く際に役立つ海外用プリペイドSIMですが、いくつかデメリットもあります。まず、利用料金がかなり高いです。
例えば500MBのデータ通信が使えるデータ通信専用SIMでも3,000円台後半~5,000円前後かかります。一般的な格安SIMなら3GBのデータ通信専用SIMが月900円で利用できることを考えると高いですね。
また、プリペイドSIMでは電話が利用できますが、原則として自分の電話番号は使えません。プリペイドSIMによっては電話番号を購入してから自分の番号に転送することで自分の番号を使えるものもありますが、別途料金がかかります。
1-5.プリペイドSIM以外ならWi-Fiルーターのレンタルで対応
プリペイドSIM以外に、海外で使えるWi-Fiルーターをレンタルするという方法もあります。ルーターを持ち歩かないといけないのが手間ですが、プリペイドSIMと違って複数台のスマホやタブレットでインターネットができるというメリットがあります。
海外で使えるWi-Fiルーターのレンタル方法は会社によって異なりますが、基本的には空港からレンタルおよび返却が可能です。利用料金は会社や利用する地域によって異なりますが、例えばアメリカ本土で1日500MBのデータ通信が使えるプランを利用する場合は1日につき1,000円~1,500円です。
2.海外旅行におすすめのプリペイドSIM
海外用プリペイドSIMを用意している格安SIMはいくつかありますが、今回はその中からとくにおすすめのものを紹介します。
2-1.IIJmio海外トラベルSIM
品質の高さで人気の格安SIM「IIJmio」の海外用プリペイドSIMです。利用できる国/地域が42ヶ国と他の海外用プリペイドSIMと比べてやや少ないですが、どの地域でも料金が均一というメリットがあります。
また、今回紹介する海外用プリペイドSIMの中ではもっとも料金が安いので、とにかく安く使いたい人におすすめです。データ通信はもちろん、音声付きSIMもあるので海外でも電話を利用したいという人にも向いています。ただし、電話番号を選ぶことはできません。
料金体系
パッケージ価格:3,000円
スタートパック
データ通信量 | 有効期限 | SMS可能数 (送受信合計) |
通話可能時間 | 料金 | |
---|---|---|---|---|---|
データ | 500MB | 14日 | なし | なし | 3,850円 |
音声付き | 500MB | 14日 | 25通 | 30分 | 4,600円 |
リチャージ
データ通信量 | 有効期限 | SMS可能数 (送受信合計) |
通話可能時間 | 料金 | |
---|---|---|---|---|---|
データ100 | 100MB | 1日 | なし | なし | 800円 |
データ500 | 500MB | 14日 | なし | なし | 3,850円 |
音声付き100 | 100MB | 1日 | 5通 | 6分 | 1,000円 |
音声付き500 | 500MB | 14日 | 25通 | 30分 | 4,600円 |
2-2.mineo海外用プリペイドSIM
独自のサービスで高い評価を受ける「mineo」の海外用プリペイドSIMです。データ容量を指定して定額をチャージするデータパックチャージと従量制プランの従量チャージの2つの支払い方法から選べます。従量チャージでは設定した金額を下回ると自動でチャージする従量自動チャージが利用できます。
わざわざ毎回チャージしなくても良いので楽ですね。注意点として、mineo海外用プリペイドSIMはデータ通信専用サービスなので音声通話はできません。音声通話を利用したい場合はIIJmioか楽天モバイルの海外用プリペイドSIMを使いましょう。
料金体系
初期費用(SIMカード代):3,000円
データパックチャージ
30MB | 100MB | 500MB | 1GB |
---|---|---|---|
650円 | 1,480円 | 5,480円 | 9,800円 |
※有効期限はいずれの容量もチャージから30日間
従量チャージ(1MBあたり)
Zone1(北米やヨーロッパ等) | Zone2(中東やオセアニア等) | Zone3(アフリカや中南米等) |
---|---|---|
32円 | 92円 | 858円 |
2-3.楽天モバイル海外SIM
格安SIMの中でもトップクラスのシェアを誇る楽天モバイルの海外用プリペイドSIMです。定額で利用できる地域別パックと従量制のクレジットの2種類の料金プランが利用できます。
楽天モバイルと言えば楽天スーパーポイントに対応しているのが特徴でしたが、楽天モバイル海外SIMもポイントが利用できます。SIM購入はもちろん、購入後のチャージでもポイントが貯まりますし、貯まっているポイントで料金を支払うことも可能です。
また、楽天モバイル海外SIMは日本番号を購入し、転送設定をすることで海外でも普段使っている電話番号で電話ができます。普段から楽天のサービスを使っている人や、自分の電話番号で電話をしたい人には楽天モバイル海外SIMがおすすめです。
料金体系
SIMカード代金:3,000円
地域別パック(データ通信)
50MB※1 | 200MB※1 | 500MB※2 | |
---|---|---|---|
ヨーロッパパック | 820円 | 1,930円 | 3,850円 |
北アメリカパック | 880円 | 2,040円 | 4,240円 |
アジアパック | 1,040円 | 2,310円 | 4,950円 |
地域別パック(通話+SMS)
通話100分 SMS100通※1 | 通話300分 SMS300通※2 | |
---|---|---|
ヨーロッパパック | 3,190円 | 7,150円 |
北アメリカパック | 4,290円 | 9,680円 |
アジアパック | 4,070円 | 9,020円 |
※1有効期限は購入してから7日間
※2有効期限は購入してから30日間
クレジット
データ (1MBあたり) |
SMS (1通あたり) |
通話 | |||
---|---|---|---|---|---|
受信 (1分あたり) |
発信(1分あたり) | ||||
発信先: Zone1-6 |
発信先: Zone7 |
||||
Zone1 | 22円 | 10円 | 12円 | 45円 | 60円 |
Zone2 | 31円 | 33円 | 31円 | 56円 | 71円 |
Zone3 | 18円 | 21円 | 17円 | 43円 | 58円 |
Zone4 | 55円 | 40円 | 40円 | 75円 | 90円 |
Zone5 | 47円 | 21円 | 26円 | 43円 | 58円 |
Zone6 | 242円 | 33円 | 22円 | 50円 | 65円 |
Zone7 | 743円 | 59円 | 186円 | 297円 | 312円 |
3.まとめ
今回は海外で格安SIMを利用する方法を紹介しました。格安SIMでも国際ローミングが使えるので、音声通話だけでいいなら国際ローミングを事前に申し込むだけでスマホがそのまま海外でも使えます。しかし、格安SIMの国際ローミングではデータ通信が使えません。データ通信を利用する方法としては
- 現地のSIMを購入する
- 格安SIM会社の海外用プリペイドSIMを購入する
- 海外で使えるWi-Fiルーターをレンタルする
といったものがあります。この中でも、格安SIM会社の海外用プリペイドSIMは価格がやや高いものの、日本にいる間に手続きができますし、日本語のサポートも受けられるので安心です。したがって、海外で格安SIMを使う場合は海外用プリペイドSIMを利用するのがおすすめです。
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月額料金 | 初期費用・解約金 | iPhone販売 |
---|---|---|
0円~ | 0円 | あり |
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月額料金 | 初期費用・解約金 | iPhone販売 |
---|---|---|
990円~ | 0円 | なし |