防水・防塵規格のIPって何?等級の見方と注意点が分かる

この記事のポイント

  • IPの数字は、防水と防塵の等級を表している
  • 防水は0~8の等級があり、6以下は水に沈められない
  • 完全防水でも海水やお湯は想定していないため注意が必要

「スペック表の防水・防塵項目でよく見るIPって何?」

スマホを購入するとき、防水・防塵の有無を調べるとスペック表にIP〇〇と数字が記載されていますよね。これって、どういう意味なのでしょうか。

結論から言うと、この数字は等級(ランク)を表します。同じ防水性能でも、等級1と8では天と地ほど差があるため注意が必要です。

防水・防塵ランクが普段のスマホの使い方に合っているかどうか確かめてみましょう。

1.防水規格のIPって何?

スマホのスペック表で見かけるIPって、どういう意味ですか?

IPは保護性能を意味するの。横に書いてある数字が、防水と防塵の等級を表すのよ。

IPとはInternational Protection(インターナショナルプロテクション)の略で、機械や器具が人体に接するときの保護性能を表します。俗にIPコードとも呼ばれています。

防水・防塵(ぼうじん)の保護性能は、IP〇〇で表示。〇の部分には等級(数字)が入ります。

IP(防水・防塵)の意味

IP〇〇の意味

[note title=”TOPIC”]IEC(国際電気標準会議)によって定められている[/note]

IP67なら防塵等級が6で防水等級が7です。防水のみ表示するときは、IPX8など防塵の部分にXが入ります。

2.防水等級の見方

防水規格のランクについて詳しく知りたいです。

等級は0から8まで分かれていて、水に沈められるのは7からよ。

防水等級は0から8まで定められています。同じ防水対応でも、水滴くらいなら大丈夫といった製品から水中に沈めてもOKな製品まで様々です。

詳しい見方は以下の通りです。

防水等級

等級 保護の程度
8 継続的に水没しても内部に浸水しない
7 規定の圧力および時間だけ水没しても内部に浸水しない
6 いかなる方向からの強い噴流水による有害な影響がない
5 いかなる方向からの噴流水による有害な影響がない
4 いかなる方向からの飛沫による有害な影響がない
3 垂直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない
2 垂直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない
1 垂直に落ちてくる水滴による有害な影響がない
0 特に保護されていない

等級1~3は一定の範囲から落ちてくる水滴まで耐えられます。防水能力は高くありません。

等級4~6はあらゆる方向から飛んでくる水滴や強い水流にも耐えられます。このレベルならキッチンや雨の中で使っても大丈夫です(水に沈めるのはNG)。

等級7以上は水滴や水流に耐えられるだけでなく、水に沈めても問題ありません。俗に言う、完全防水です。

3.防塵等級の見方

防塵のランクはどう見ればいいですか?

0から6に分かれていて、4以上なら十分な耐久性よ。

防水とともに併記されることが多い防塵等級。防塵はその名の通り塵(チリ)やほこりがスマホの本体に入らないことを意味します。

防塵等級は0から6まで定められています。詳しい見方は以下の通りです。

防塵等級

等級 保護の程度
6 粉塵が内部に侵入しない
5 粉塵が内部に侵入することを防止する、仮に侵入しても正常な運転を阻害しない
4 直径または厚さが1.0mmを超える固形物が内部に侵入しない
3 直径または厚さが2.5mmを超える固形物が内部に侵入しない
2 指先または長さが80mmを超えない指先類似物が内部に接触する恐れがない
1 人体の大きな部分が誤って内部に接触する恐れがない
0 特に保護されていない

防塵についても等級が高いほど性能が良くなります。一般の方は低い等級でも気にしなくてOK。

アウトドアにスマホを持っていく方は、等級4以上だと心強いです。工事現場など外仕事の方は、最高等級のスマホを使うと壊れにくいですよ。

4.最高等級でも注意が必要

防水等級8なら、水場でも安心ですね。

基本は大丈夫だけど、海水やお湯にも対応しているとは限らないから注意して。

仮に、完全防水のIPX8だとしても注意が必要です。

通常、防水テストは常温の真水で行われます。そのため、海水や温度が高いお湯では確実に防水できるとは限りません。

海やお風呂でスマホを頻繁に使うなら、防水性能が高くても防水ケースを使った方が無難です。また、充電ポートにキャップがあるタイプのスマホなら、浸水しないよう締めておきましょう。

弱電とはいえスマホは電化製品なので、充電前は水気を拭き取ることもお忘れなく。

5.まとめ

防水性能ありのスマホを購入する際は、スペック表のIP表記をしっかく確認しておきましょう。防塵は0~6、防水は0~8まで等級があり、それぞれ性能が異なります。

完全防水を目指すなら、IPX7以上が理想的。それでも、お風呂や海での使用は想定していないため十分に注意して下さいね。

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