自分の市場価値が分かり、企業から面接確約オファーを受け取れるミイダス。
2019年4月にパーソルキャリア から分社化し、現在ミイダスはパーソルホールディングスに所属しています。
今回は、そんなミイダスについて質問するため、渋谷のオフィスへ突撃インタビューしてきました。
転職業界が抱える問題点を背景に、なぜミイダスを活用すべきなのか?
機能面だけではなく、各機能の活用方法から商品誕生の裏話まで徹底取材。お話を伺ったのは、ミイダスのマーケティングを担当する村尾さんです。
村尾さん
さっそく、村尾さんに詳しい話を伺っていきましょう。
1.ミイダスが生まれた経緯とは?
—ミイダスが生まれた経緯(いきさつ)を教えてください。
村尾さん:今ミイダスで働いている、とある社員の転職体験がきっかけです。
彼は、前職で大手の金融系の会社に勤めていたのですが、あることがきっかけで何人かの同期と一緒に会社を辞めちゃったんです。
ただ彼だけ少し転職活動の時期が他の同期より出遅れたんです。
半年ほど時期が遅れただけなのですが、その間に彼が行きたかった求人の募集はほとんど終了してしまいました。
同じレベルの大学で、同じ年齢で、同じ経験をしていた同期たちは、みんな行きたい会社に転職できたのですが、彼だけ転職時期が遅れただけで希望の会社に行けなかったんです。
―転職タイミングだけの問題で?
村尾さん:そうです。タイミングが悪いだけで、希望の会社に入れませんでした。同期たちと同じような会社に行きたかったんですけどね。
転職は求人に出会えるかが大事で、頑張ったから会社に入れるわけじゃないんです。
—人生に関わる決定が、ほんのちょっとのタイミングのズレで決まってしまうんですね。
そしてまた別のケースの話なのですが、広告代理店に勤めていた友人がいまして、たまたま外資系の広告の部署が空いたという話を聞いて転職したら、一気に年収が500万円くらい跳ね上がったんです。
まったく転職する気は無かったんですけどね。
—それは凄い!
村尾さん:その話を聞いて「市場価値とはなんて曖昧な」と思いました。法人と個人のニーズが一致したタイミングで、たまたま市場価値があがっただけです。
転職で大切なのはアンテナの高さ。それをカバーするのが、ミイダスの役目です。
―転職は、そのときの運ってありますよね。
村尾さん:希望の会社に行くにはどうすればいいのか、どれだけアンテナを高く情報収集できるかが本当に大事ですね。
―現状は、求人を探してもなかなか一歩踏み込んだ情報がないですよね。
村尾さん:そうですね。転職活動を思い込みで行なってしまう人も多いと思います。
例えば、外資系に行きたいからTOEICを頑張っている人がいますが、本当にTOEICを頑張ったら合格できるのかどうかを調べた上で勉強しているのか?というのは疑問に感じます。
というのもTOEICよりも実務(実際に英語を使って業務を行なった経験)の方が重視されることが多いのです。
そうであれば、半年間TOEICを頑張るより海外で半年くらいインターンした方が、自分の行きたい外資系の会社にいける可能性は高まりますよね。
現地で電話対応ができたり、英文のビジネス文書を書いた経験が少しでもあれば、大手まで行けなくても外資系ベンチャーなら通用するのではないでしょうか。
―外資系に行きたいからT0IEICを勉強する・・周りに思い浮かぶ人がいます。
村尾さん:あと、自分のやったことのない領域の仕事に転職したいなら、早い方がいいですね。
企業も未経験の募集をするときは、第二新卒くらいであれば教育ができる前提で募集することが多いです。
石の上に3年と思いこんで我慢した結果、もう第二新卒の年齢ではなくなってた、ということもあり得ます。転職には経験よりも若さの方が大事なときもあります。
—どうすればいいか分からず、思い込みで転職してしまう人は多いと思います。
村尾さん:ミイダスから適切な転職情報を受け取って、効率よく転職活動をしてもらえればと思っています。
まず、人事の方に会って話してほしい。思い込みで動くのは無駄になるかもしれないしリスクが高い。
そういうことを訴求していければと考えています。
—情報が本当に大事なんですね。
村尾さん:転職は情報戦です。情報を知らない人が負けてしまう世界になっています。
CHECK!
2.ミイダスの強みである面接確約について
—ミイダスのオファーは面接確約ですよね。どうして、すべて面接確約にできるのですか?
村尾さん:実は書類選考の段階で人事が見るポイントは決まっているんです。エンジニアだったら開発言語やOSなど。
営業なら商材、単価、新規営業、リテール営業あと既存新規の割合など。
そこを個人ユーザーの方に登録の際に入力してもらうことで、人事がデジタルに判断ができるようになっています。
本来の転職サービスは、職務経歴書や自由筆記のプロフィールをユーザーに入力させているのですが、人事は自社のターゲットに合う人材なのかを、一回一回全部読んで判断しなくちゃいけなかったんです。
しかしデジタルにすれば、最初から面接できる最低の条件を設定して、それに合致する人にオファーを送ることができるので、一回一回読まなくても、面接確約ができるようになったのです。
だからミイダスは自由筆記や職務経歴書を書かなくてもオファーが届きます。
―人事が求めている情報を知っているのは強みですね。
村尾さん:そうですね。毎日法人から、書類選考に最低限必要な資格やスキルなどの情報を吸い上げています。
この情報は「マスタ」といって、このマスタ項目を追加する専任もいます。そこは、命をかけてブラッシュアップしています。
例えば、「漁師の経験者」を探すのであれば、取ったことのある魚の種類まで検索できるようにしたいですね(笑)。
ミイダスのコンセプトはぴったりな人のマッチングなので。
―すごく分かりやすいコンセプトです。
村尾さん:今後ミイダスが目指すのは転職の先の活躍です。入社するまでではなく、さらにその先の活躍までがマッチングだと思っています。
今の業界は入社できたことが転職成功になっていますが、それは本当に成功と言えるのか疑問です。
—一般的な転職サービスの成果地点としては入社までですが・・
村尾さん:そうなんですね。だけど、転職してからのミスマッチは最悪です。
入社して半年で離職するのもよくある話で、また転職活動しなくちゃいけなかったり、いろんな手続きしなくちゃいけないし、とても疲れますよね。
—入社後のミスマッチは本人も会社側もがっかりですよね。
村尾さん:大前提として、転職した会社で活躍できたほうが楽しい。入社後に活躍できるかが重要だと思っています。
3.転職業界の問題点とミイダスを活用するメリット
—今の転職業界について、どう分析されていますか?
村尾さん:今後20〜30年で644万人の人手不足になることがわかっています。
この問題を解決するには、今働けていない人、シニア、外国人にもっと活躍してもらい生産性を上げることが大事です。
—ミイダスは人手不足の問題解決を担うわけですね。
村尾さん:テクノロジーで実現する最高の適材適所、個人が活躍できる組織とのマッチングをやりたいと思っています。
企業も個人もお互いWin-Winに。それがミイダスのビジョンです。
—転職業界の問題点について、もう少し詳しく教えて下さい。
村尾さん:今、転職業界で実現できていない課題が2つあります。
1つ目が、人と組織のマッチング精度が低いこと。入社後の活躍まで見ずに、採用できた時点でマッチングできたと思っています。
入社後の離職はよくある話であまり問題になっていない。採用できないことばかり問題になるけど、ミスマッチも大きな問題と捉えています。
2つ目はミスマッチが起こっても再配置ができていないこと。
転職や異動がしづらくなっていて、そこがよくないと思ってます。
適材適所になっていないのは仕方ないにしても、それを変えづらい環境になっているのが良くないと思ってます。
—転職しづらい問題は深刻なのですか?
村尾さん:
はい、現職中に転職活動をするのはとても大変なんです。
業務の合間を縫って面接へ行かないといけないし、職務履歴書も書かないといけない。かといって転職のために離職すると、人事からの評価は下がることがあります。
じゃあどうすればいい?となってしまう。
転職エージェントに会うのも結構勇気がいりますし、膨大な求人を読んで自分が応募する企業を探すのも時間かかりますよね。
さらに応募したところで、合格できるかどうかもわかりません。つまり現状の転職活動は効率が悪いんです。
なのでミイダスでは、「自分が活躍できそうな企業」「合格する可能性が高い企業」とのマッチングを効率よくできることを目指しています。
―通常の転職サイトとミイダスの違いは何ですか?
村尾さん:先ほどお伝えしたように、他の転職サービスには「企業から直接面接確約オファーしかこない」というサービスはないと思います。
まずは実際に会って、その企業のことを知ることが大事だと思っておりミイダスはそれにコミットできるアプリです。
自分を好いてくれる転職サイトのような感じ。なので、好きなオファーを見つけてもらえれば嬉しいです。
他の転職サイトだと応募しても合格するかわからないので。
―面接確約だから書類選考で落とされて、あんなに書いたのに・・とショックを受けずに済みますね。
あと、ミイダスの方が可能性は広がりますよね?
村尾さん:そうですね、まず相手に会えますので。いきなりデートからはじまる出会いアプリがあったと思いますが、それに近い感覚です。
500回メッセージをやり取りするより、1回食事した方がわかる。面接も同じです。
メールでミスマッチを起こすより、しっかり話し合うことに時間やお金を割いてほしいです。
4.企業と人のマッチング精度の低さをどう解消していくのか?
—マッチング精度が低くて入社してから活躍できない問題について、詳しく教えて下さい。
村尾さん:採用基準と入社後の活躍の相関性を表したグラフがあります。
入社後の活躍の相関性
R0.2~0.4は弱い相関です。例えば、職務経験年数はR0.18でほぼ相関しない。年齢や学歴も相関していません。
何が言いたいかというと、全然活躍と関係ない項目で採用を制限している会社が多いということです。
そしてもう一つ、非構造化面接(自由な質問を行う一般的な面接)にも問題があります。
—非構造化面接にも問題があるんですか?
村尾さん:はい、面接という手法自体が原始的なんです。
確かに1時間ちょっと話をしただけで見極められるかと言ったらそれは難しいですよね。
—企業が人を見極められていないとは思いませんでした。
村尾さん:しっかり自社で活躍できる人を見極められている企業は少ないと思います。
例えば営業職は30歳までの4大卒。これがよくある採用基準の1つですが、条件を満たしていないと書類で切られることがあります。
しかしなぜその採用基準なのか?を活躍と紐づけて説明できる企業はいないと思います。
よく、人事が「 地頭がいい人が活躍するんだよね」と言いますが、「地頭」ってよくわかりませんよね。
—地頭の良さはよく聞きますね。欲しい人材の定義ができていない、ということでしょうか?
村尾さん:そうです。地頭とは一体何を指すのか、地頭の要素はもっと分解できるんですけどね
そこを分析できると、その会社で活躍できる人の傾向がわかります。 ミイダスはここに本気で取り組もうとしています。
―人材の見極めに関して、何か具体的な取り組みはありますか?
村尾さん:ミイダスには、適正チェックができるコンピテンシー診断があります。パーソナリティの特徴が分かる診断ツールです。
コンピテンシー診断
—コンピテンシー診断は、精度が高いとユーザーから評判がいいですよね。
村尾さん:ありがとうございます。上下関係適正(上司や部下の相性)なども分かりますし、あまり他にはないツールだと思います。
自分が上司になったとき、どういうマネージメントをするのかも分かります。
—それは面白いですね!ちなみに、村尾さんはどういう診断でしたか?
村尾さん:私はみんなで進めていくタイプでコンセン(複数人の合意)を取るのが好きと出ました。
部下としては上司に提言していくタイプです。
—この診断結果は、会社側も見ることができますか?
村尾さん:はい、見られます。
—人事にとっては、面接へ来る人がどんなタイプか大体わかりますね。
村尾さん:それが大事だと思っています。
主体的に動ける人が欲しい!という場合でも企業は事前にわかりますし、指示を待つタイプの人ならトップマネジメント系の会社で重宝されます。
これもマッチングだと思うんですよね。上司と合わないが一番の離職原因ですから。
—人間関係が合わず離職する話は、本当によく聞きます。
村尾さん:だから、ぜひ取り入れてほしい。あと、自分のストレス要因が分かるのも面白いですよ。
—ミイダスのコンピテンシー診断は、正直そこまで重要機能とは思っていませんでした。
村尾さん:診断機能はもっと使ってもらいたいですね。
今まではただの自己分析機能だったのですが、最近は企業に開放して、より相性の良いマッチングができるような機能になりました。
もう一つ、今度はこの診断機能を採用する側である法人の社員にも受けてもらおうと思っています。
—求職者ではなく法人側が診断・・どういうことですか?
村尾さん:どうなるかというと、自分たちの社員の傾向がわかります。
—社員の傾向が分かることで、心理面でもマッチングできるということでしょうか?
村尾さん:いえ、ビジネススキルのマッチングですね。人事がよく言う地頭がいい人の正体も社風にフィットするからこそ見えてきます。
エンジニアや営業に求められる地頭は違うので、必要な要素を分解することが求められます。まだまだ完全ではないけど一歩という感じですね。
5.ミイダスに対するユーザーからの指摘をぶつけてみた
―ユーザーから市場価値として算出される年収が高すぎるのでは?との声がありますが。
村尾さん:オファーをベースにしているので、市場価値の年収が高くなる傾向はあります。
すごく年収が高いオファーが来ますので。不動産の飛び込み営業など、コミットしたら1000万を超えるオファーは多いです。
―高収入オファーで平均値が上がっているわけですね。
村尾さん:仕事の中身関係なく年収だけでオファーを選んでいけば、市場価値(年収)は確実に上がると思います。
だけど難しいですよね、普通は行きたい業種・職種があるので。今と同じ職種・業種なら年収は大体上がる傾向にあります。
―やはり、同じ業種・職種なら年収が上がりやすいのですか?
村尾さん:はい。それくらい経験者の価値があがっています。もちろん、それ以外にも年収や市場価値が上がる要素はたくさんあります。
今はまだ見づらいのですが、自分がいきたい業界はニーズが低くないか、どこなら市場価値が高いのか、仕事内容を変えたら年収は下がるのか、などを皆さんにお伝えできるアプリにしていきたいです。
―全然関係ない職種からオファーが来るとの意見もありますが?
村尾さん:来ます。オファーは行ける会社から来るので。
だから、自分の希望する職種しかオファーが来ないと思っているユーザーにとっては、様々なオファーはノイズだと思われてしまうんですよね。
そこはUIの問題なので、今後改善していきたいです。
―様々なオファーが来ることは、人によってはありがいたいと思うのですが、反面ノイズだと感じる人もいるというわけですね。
村尾さん:はい。ここは、ミイダスのコミュニケーション設計にまだまだ課題があると思ってます。
UIはすごい大事なので、ここら辺はしっかり取り組んでいきたいと思ってます。
CHECK!
6.ミイダスで働くきっかけは?村尾さんへのご質問
社内の様子
―村尾さんの経歴について、教えて下さい。
村尾さん:私は2012年にインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入りました。新卒プロパーです。
3年広告営業を経験して、そのあと3年はdodaのマーケに所属していました。ミイダスにジョインしたのは、2018年の4月からです。
―昨年からミイダスに携わるようになったのですね。
村尾さん:まだ、1年ちょっと・・。何だかずっとミイダスにいるような気がして信じられません。
実は、前任が同期で一緒にがんばろうと言っていたのですが、私が入ってすぐにやめてしまいまして。
―それは大変なスタートですね!
村尾さん:はい、そんなところからスタートして、本当に幅広くマーケをやらせてもらっています。
WEB広告、CM、DMなど。個人向けのプロモーションも法人向けのプロモーションも両方担当しています。
最近はPRや広報もやっていて、今月からプロダクト企画に移ります。
―本当に様々なことをされているのですね。その中でも、特に大変だったことはありますか?
村尾さん:新しい仕事が多くて答えがないことですかね。前任がいないので、自分で考えて実行する必要があります。
そしてミイダスは少数精鋭で、3人。正社員が私1人で、2人が業務委託です。
元々dodaのマーケティング部門にいたときは50人くらいいたので、ミイダスで3人でやってと言われたときは驚きました。
―大手からベンチャー企業にきた感じですね。逆に、過去の実績が無い分、思い切ったことができそうですが?
村尾さん:完全にベンチャーです(笑)。
大胆にできるのは良いですね。温めるより早くやってしまうことを心がけています。 小さい失敗でかすり傷のほうがいいと思ってます。
―それは大手にはない楽しさですね。
村尾さん:自分一人で決められますし、ベンチャーならではのスピード感があります。 あと、横断して仕事を見られるのがすごく良いです。
ミイダスを支えてくれるパートナーが多くて、今は代理店さんなど20社くらいとやり取りしています。
大手にいると、各担当がいるのでそんなに関わることはありません。WEB広告やDM担当などで別れています。
しかし今では、プロダクト企画もマーケティング領域も両方見ているので、横断して企画を考えることができます
―全体を見られるというわけですね。大手だと分業になって一点しか見ることができない。
村尾さん:全体を俯瞰できるので、横展開が効きますね。めちゃくちゃ大変ですけど(笑)。
7.【まとめ】インタビューを終えて
今回ミイダスのインタビューを通して、機能だけではなく背景に隠されたプロダクトに対する思いがよく伝わりました。
「ミイダスの各機能にはストーリーがある」
インタビュー中、特に印象に残った言葉です。綿密なデータ分析はもちろん、非効率な転職活動を変えたい気持ちが込められているミイダス。
まだまだ理想形には遠いですと謙遜されていましたが、求職者にとって間違いなく頼りがいのあるツールです。
転職問題に対して真摯に向き合う姿勢は、きっとユーザーの心に届くと思います。採用する会社側にとっても、今後ますます使いやすい採用ツールとなっていくことでしょう。
最後に、お忙しいなか時間を取って下さり転職に対する熱い気持ちを語ってくれた村尾さん、本当にありがとうございました!