どうすれば仕事で満足の行く結果が出せるのでしょうか?
その秘密は、仕事のスタンス(取り組み方)に大きなヒントがあります。なぜなら、取り組む姿勢で、成果が変わるのは自明の理だからです。
今回は、シンプルに結果を出すために必要な仕事のスタンスについて書いていきます。
私も何だかんだで起業してから5年。試行錯誤の末、それなりに成果を出せる心構えが分かってきました。とはいえ、まだまだ未熟です。
記事内では色々と偉そうに書いていますが、自分自身への戒めもこめて、書き進めていきます。
個人事業主や小さな会社の経営者向けの内容ですが、サラリーマンの方にもきっとお役に立てるはずです。 仕事の取り組み方を調べている人は、ぜひ参考にして下さいね。
1.誘惑の多い作業環境を整備する
1-1.作業中にネットサーフィンしてしまう2つの理由
集中して作業していたつもりが、ネットサーフィンしたりYoutubeを見たりして戻ってこられなくなる。誰しもが経験することですよね。
私も思い当たる節がありすぎます。誘惑を断ち切れない理由は単純。
- すぐに快感を得られる
- やることが明確に決まっていない
このどちらかに陥っているからです。すぐに快感を得られるとは、どのサイトに行けば楽しめるのかもう分かりきっているということです。
アクセス一つで瞬時に楽しめるのなら見てしまいますよね。目の前に好きな漫画があったら誰しも読みたくなるのと同じです。
そして、やることが明確に決まっていない場合も、あちこち目移りする原因となります。
パソコンを開いてから、何をしようか考えている状態だと、いつの間にか考えるのが面倒になってダラダラとネットサーフィンに走ってしまいます。
意外とモチベーションや集中力の問題ではないのが曲者です。
1-2.まずは誘惑の多いサイトをブロック
すぐに快感を得られるのがネットの悪いところ。パソコンに向かって仕事する場合、誘惑に負けてしまいます。
対処法は、あらかじめ特定のサイトをアクセスできないようブロックすること。
Google Chromeならアドオンで対処できます。SNSを含め、時間を食いつぶすサイトはブロックすべきです。
ネットサーフィンは遊びと仕事でブラウザを分ける。ニュースが気になるならトップ画面は、Yahoo!からGoogleへ。これでOK。
1-3.作業開始に使うエネルギーを最小限にする
そして、もう一つ。やることが明確に決まっていないことへの対処は、明確な段取りで作業開始時のハードルを極限まで下げることで対応できます。
家電と同じで、作業開始時にエネルギーを一番使いますからね。作業のハードルを下げるには、これから行う段取りの明確化が重要です。
すべての作業を言語化して書き出しています。段取りを決めると作業のアウトラインが本当に明確になります。
当たり前すぎるうがいの作業を例にしてみます。
当たり前に行う「うがい」にも作業手順がある
- 棚からコップを取り出す
- コップの8分目まで水を満たす
- 右手でコップを持ち、口いっぱいに入れる
- 顔を上に上げる
- 水が喉の付近に来たら、ガラガラと喉を鳴らす
- 5秒間、喉を鳴らし続ける
- 顔を下げる
- 口から水を吐き出す
- 水がなくなるまで繰り返す
- コップを水洗いする
- コップをタオルで拭いて元に戻す
ここまでやると、自然とチェックリストになるのもメリット。作業スタート時のエネルギーも不要で、脇道にそれることもありません。
もし失敗しても、どの工程がまずかったのが、ひと目で分かるため仮説検証がやりやすいです。
最初はこれ以上無いほど細かく書いて、うがいくらい無意識レベルで出来るようになれば、言語化を卒業します。
作業を頻繁に切り替えている場合も集中は妨げられる(男性はとくに)
ちなみに。作業を切り替えるときも大きなエネルギーが必要となります。そのため、今日はアレをやって、コレをやって・・と、手を出しすぎると非常に疲れます。
実は、女性はマルチタスクができるのであまり問題ないのですが、男性は脳がシングルタスクの構造、作業の切り替えに時間とエネルギーを消費するのです。
ですので、作業はなるべくまとめます。
ただ、一つだけに絞るとだんだん飽きてくるので、2~3個くらいの作業数に調整するのが、ちょうどいいでしょう。
2.集中すべき2時間を決める
2-1.最初の2時間は頭脳労働に当てるべき
集中すべき2時間を定めることは、とても重要です。人の集中力は持って90分。なので、2時間は結構苦しいのですが、1日1タームなら何とか乗り切れます。
筆者の場合は、9:00~11:00など、集中すべき時間を設定。この時間はスマホの電源も切ってしまいます。そして、この集中する2時間に頭脳労働を行います。
インプットではなく、アウトプットに時間を当てるのもポイント。雑務は行いません。
集中する2時間は午前中がベストです。午後に作業するより、4倍は効率がアップ。普段は4時間かかる仕事も午前中なら1時間で終わるというわけです。
私は自宅で仕事をしているため、朝食を食べたらそのまま2時間仕事します。仕事が終わるまで、メール、スカイプ、ライン、チャットワークをシャットダウン。
頭が真っ白な状態で、コアタイムに臨んでいます。些末な情報を入れると、思考ノイズとなりますので。
思考労働をこなした後は音楽でも聞きながらラフに仕事してOK。 疲れてきたら手を動かすだけの単純作業に切り替えるのも大事です。
2-2.集中を持続できないのは本能として仕方ない(割り切ろう)
人間の脳が長時間集中できないのは、危機管理能力が働くからです。道路を渡ろうとして、信号しか見ていないと危険ですよね。
いくら信号が青でも、周りを見渡さないと車にぶつかる可能性があります。
脳は1点だけに集中し過ぎると危ないので、あえて集中を散漫にしているのです。フロー(没頭しすぎて時間を忘れる)に入ると集中を持続できますが。
私は集中力がない・・そんな劣等感は不要です。
むしろ、危機管理能力が高い、あるいは情報収集能力に長けていると思って気にしないことです。
3.センターピンを倒す
3-1.的を一つに絞って成果を最大化する
あれもこれも手を出して結局成果を出せない。誰もが経験することです。焦点がぼやけると、やはり成果はなかなか見えてきません。選択と集中は大切です。
事業に関わる人数が少ないなら、なおさら的を一つに絞ってセンターピンを倒さなければなりません。その他のことはすべて捨てる勇気が必要です。
稀代の戦国武将である織田信長も、以下の言葉を残しています。
「攻撃を一点に集約せよ、無駄な事はするな。」
歴戦の猛者らしい、力強い言葉です。情報を集めだすと、あらゆる手法や最新のマネタイズ法に目が行きます。その結果、手が止まり作業が疎かに。
最初のうちは売上を最大限に伸ばすセンターピンだけを定めて猪突猛進した方が、推進力は高まります。
センターピン以外の代表的な仕事例は事務作業です。エクセルで綺麗にデータ管理するといった仕事は、成果にあまり直結しないため、リソースがないうちは後回しでいいでしょう。
私も最低限わかる程度の管理でした。
私はメディア運営を主戦場としているため、センターピンとなる「記事を書く」仕事を最優先に。
最近では、打ち合わせがメインの仕事に変わりつつありますが、いずれにせよ成果に直結する一つのことを定めることが重要です。
メディアが育つまでは、デザインにこだわることもありません。
3-2.些末なことは喜捨の精神で捨てる
努力の方向をセンターピンに向けるとエネルギーを集中させることができます。
エネルギーが集中する例(エッセンシャル思考より)
悪例を挙げましょう。私は、学生時代にノートを綺麗に取ることばかり考えていました。今思えば、とんでもない馬鹿者です。
本当に大切なのは、授業内容を理解すること。本質がずれた努力は成果になりません。
喜捨という言葉があります。喜んで捨てると書いて喜捨。禅の用語です。お賽銭を投げるとは、まさに喜捨の行為です。
センターピンが定まらない理由は、喜捨が出来ないからです。無駄な執着を捨てる、喜んで捨てる。
焦点を一つに定めないと右往左往して疲れてきます。
さほど重要でないことは、まとめてバッチ処理にすればOK。使えるリソースが限られるうちは、焦点を絞り込む重要性がさらに増します。
4.はじめから差別化を考えない
4-1.差別化は結果論
はじめから差別化を狙うと、ユーザーが置いてきぼりになる場合があります。
差別化は結果論です。最初からは狙いません。ひたすらユーザーニーズを突き詰めたら、いつのまにか差別化になっていた。それが自然な形です。
差別化にこだわりだすと、ユーザーよりもライバルを深く見ることになります。ライバルの考察はとても大事ですが、肝心のユーザーを忘れては本末転倒。
以下、スティーブ・ジョブズの言葉です。
美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら君は15本贈るかい?
そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。
アップルの製品は極端にボタンが少ないですよね。ボタンが少ないゆえに、使いやすく分かりやすい。
ユーザビリティを徹底的に考え抜いた結果、究極に差別化された商品が出来上がりました。お手本にしたい好例です。
反対に、ライバルとの差別化だけを考えて、あれこれ機能を付けた結果、ボタンが多すぎる製品が出来上がることも。
そこにユーザーの利便性はありません。差別化を考える前に、まずはユーザーを観察する。
そして、ユーザビリティを上げ続けた結果、最終的に差別化できている。この流れを大切にしたいものです。
ライバルに負けじと頑張っても、結果として最後に残るのはユーザーに役立つことだけです。
4-2.付加価値が自然な形で差別化に繋がる
私が体験した例を出します。
一昔前に、WindowsXPのサービスが終了しましたよね。ここぞとばかりに、Windows7のアップデートディスクが立ち並び激しい価格競争の渦へ。
そんな中、「初心者でもできるWindows7アップデートマニュアル」を特典として付けているお店がありました。
私はPCのアップデート関連に詳しくないため、マニュアル付きのお店からアップデートディスクを購入しました。
単にマニュアルを付けただけですが、ユーザーに目を向けたことで結果的に差別化となったいい例です。
ライバルより値下げする、あるいはライバルより広告を打つといった施策ではなく、ユーザーに目を向けて付加価値でくっ付けただけ。
差別化ばかり狙わずにユーザーの利便性をどこまでも高めていきたいものです。
5.一流の結果を出すため、一流になる
5-1.平均的であることを辞める
著名なロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん、貧乏父さん」。この中で、投資に勝つには「平均的であることを辞めなさい」との助言があります。
その理由は単純。平均的な投資家は残す結果も平均的だから。至極単純です。
耳が痛い現実なので、多くの人は逃避したくなります。私も何かうまい方法は無いかと、裏技ばかり探していた時期がありました。当然ながら上手くいきません。
一時的ではなく結果を残し続ける人は一流に限られます。曲がりなりにも、起業して様々な人と出会ってきた中で確信を持てる事実です。
一流の定義はそれぞれだと思いますが、必ずしもテクニックが優れている必要はないと思います。大切なのはプロ意識です。
すごく勉強になるのが、NHKの超有名番組「プロフェッショナル仕事の流儀」。プロ意識のいろはがとてもよく分かります。
まぐれ当たりで一流の結果が出ても、自分自身が二流ならいずれ結果も二流になります。逆に、今は結果が出ていなくても、自分自身が一流で居続ければ結果もおのずと付いてきます。
5-2.成長と改善の螺旋を続けるものが一流の証
私の考える一流とは、成長と改善をし続ける人です。
成長、成長、成長・・・
改善、改善、改善・・・
永遠に終わらない成長と改善のループを楽しみながら螺旋状に登っていく。そんな人が、一流だと思うのです。
いきなり一流なんて無理だよ・・仕事上の立ち位置や今の実力を考えれば、そう思うのも無理はありません。ですが、一流かどうかに試験はありません。
自分はプロであると言い聞かせながら行動すれば、それでOK。おのずと結果も付いてきます。
6.好きなことで勝負する
6-1.やらされている感があるとパフォーマンスが低下する
成果を上げるまで、どれくらい作業をすればいいのか気になりますよね。
この意図はずばり「言われた事以上はやらないよ」との思考が見え隠れします。おおよその目安が欲しいだけの場合は別ですが良くない思考です。
深刻なのはやらされている感です。「~しなくちゃいけない」の姿勢で仕事に取り組むと、楽しくないですし成果もなかなかあがりません。
やがて継続できなくなり、やる気も失われていきます。やらされている感は雇われ思考です。脳に制限がかかりパフォーマンスが落ちます。
また、価値提供ではなく労働(時間)対価で報酬を得ようとするため「これくらいやれば十分」との思考が生まれるのです。
やらされている感があるうちは、成果を出すのは至難の業でしょう。反対に 「〜をやってみたい」とワクワク感を持てば没頭(フロー)できます。
すると、いずれ大きな成果が返ってきます。夢中になる事こそが成功への近道です。
無我夢中って面白い漢字ですよね。
「我を忘れて夢の中」
これぞ目指すべき精神状態です。
6-2.嫌なことから徹底的に逃げる
逃げちゃダメな雰囲気は、いい面もありつつ弊害にもなりえます。最後までやり通すことは大切。だけど、嫌なことがあったら逃げてもいいのではないでしょうか。
ポイントは「苦しい辛いではなく、嫌なことから」逃げるです。中途半端に辞めても構いません。
「好きなことで生きていく」
どこかで聞いたフレーズですが、あえて逆を行く必要はありません。好きなことが見つからないうちは、あれこれ手を出してOK。
この段階ではセンターピンが定まらないのも当然です。
「甘えるな!逃げるな!」
そんな言葉は今の時代に合いません。柔軟に変化していく適応力の方が大切です。嫌だなと感じたらどんどん損切りする。
これでいけると思えたら、その道に突き進む。シンプルですが、それでいいと思います。
7.日々の売上と真摯に向き合う
7-1.小さな売上を大切にする
例えば、5万円の売上が上がったとします。たった5万円か・・そんな劣等感は不要です。
一発の特大ドカンを当てるより、5万円、1万円とコツコツ積み上げたほうが、最終的な収益は大きくなります。
そもそも、自分で売り上げるのはすごいことです。少なからず、あなたのサービスや商品に心を惹かれたということです。
私の取り組むメディア事業なら、誰かに提供した文章(情報)が響いたということです。
なぜ売上が上がったのか?仮説でもいいので理由を考えます。そこで得た検証結果は財産です。
とくにネット集客の場合はレバレッジが10倍、100倍と加速度的に増えていきます。
たとえ1万円の売上でも、レバレッジがかかったら雪だるま式に収益が膨れ上がります。
小さな売上に対して、恥ずかしがる必要はありません。小さな成功事例から次のチャンスを見出す。その心構えがやがて大きな成果に繋がります。
7-2.大勝利に陶酔しない
簡単にいえば、大きく稼いでも調子に乗らないということです。売上が大きくなると、周りからチヤホヤされだします。
ですが、売上に本人の能力が追いついていないことはよくあることです。私も自分の実力だと思って痛い目を見たことが何度もあります。
単純な話ですが、売上の大きさは実力以上に参入ジャンルが関係しています。
野球選手として成功するのか、ハンマー投げ選手として成功するのか。生涯賃金が大きく変わるのと同じです。
参入ジャンルを見極めるのも実力ですが、あらゆる能力が優れているわけではありません。
激しくお金が動いている市場はライバルが多いものの、成功したときのインパクトは絶大です。大勝利したときの気持ちよさは格別でしょう。
しかし、勝って兜の緒を締めよ。そこで調子に乗るとすべてを失います。
成功した事例には、再現性があるのか?たまたまヒットなのか?
もし後者だと考えるなら、実力はまだまだ足りていません。一時的な大勝利に陶酔せず、謙虚な姿勢を崩さないように気をつけましょう。
8.複利で積み上がる1%の成長を意識する
8-1.1%の成長がとんでもない差を生み出す
毎日わずか1%、1年間成長するとどうなるのでしょうか。その結果は、1.01の365乗でおよそ38倍成長します。なぜここまで膨れ上がるかというと、複利が効くからです。
明日はいつもの2倍頑張る、週末はいつもの5倍頑張る・・などなど、つい火事場の馬鹿力に頼ってしまうことがありますよね。
ですが、毎日コツコツと小さな成長を積み重ねた方が、最終的な成果は大きくなります。
ちなみに、毎日1%の成長を3年間続けたら成長の加速は約5万倍に。とんでもない差となります。
逆に、毎日1%ずつ衰退していくと、わずか1年で100%が0.3%に。3年サボったときは・・・。この数字を見ると、1日もサボっている暇がないことが分かります。
8-2.何をすれば1%前に進めるのか?
1%の成長は、とても簡単です。毎日一つだけ何かを身につける(挑戦でもいい)。それだけで十分です。
例えばファッションを極めたいと思ったら、
- ファッション雑誌をめくる
- おしゃれなお店に入る
- センスのいい人を探す
- ネットで情報を調べる
小さなことですが毎日1つずつ繰り返せば、やがてファッション分野でプロレベルに到達できるでしょう。3年続けたら師匠レベル、10年続けたら専門家です。
私は毎日の終わりに、今日成長したことを一つだけノートに書いています。書くことは自分で成長したと感じたら何でもOK。欲張って2つ以上書く必要はありません。
亀のようにとろい歩数ですが、毎日継続することで成長を強く実感できます。
その他、ブログを1日1記事書く、1日1ツイートする・・などなど、とにかく目標のハードルを下げて、1%前進を続ける仕組みを自分に課しています。
あなたの仕事に合わせて、なにか一つでもいいので小さな歩を進めてみましょう。
9.【まとめ】仕事の取り組み方を見直して、最高のパフォーマンスを発揮しよう
この記事では、シンプルに結果を出すために必要な仕事のスタンスについて詳しく解説してきました。仕事の取り組む姿勢で結果が変わることは、言わずもがなです。
テクニックも大切ですが、根っこにあるマインドセットが重要なのは言うまでもありません。
一生懸命頑張ろう、といった単純な精神論ではなく、一つ一つ本質に迫った理論でパフォーマンスを最大化すべきです。
冒頭でも申した通り、筆者もまだすべてを完璧にこなせるわけではありません。
ですが、出来そうで出来ないそのプロセスを追い続ける謙虚さが、成果を出し続ける布石になるのではないでしょうか。
この記事をきっかけに、最高の成果を作り上げていきましょう。