SEO業界では生き残りをかけて血眼の争いが続いています。
アフィリエイトサイト、企業のオウンドメディア、ブロガーがどんどん参入している状況で、今後もパイの奪い合いが終わることはないでしょう。
SEOで生き残るには、ファンになってくれたユーザーからの指名検索が必須です。
市場全体が成長するので競争はウェルカムですが、今後の身の振り方については真剣に考えなくてはなりません。
今回は、私自身が今最もマストだと考えている指名検索について掘り下げていきます。
1.そもそも指名検索とは?
まずは、指名検索の意味について理解しておきましょう。
1-1.ユーザーからの本指名
指名検索とは、その名の通りユーザーから指名で検索されることです。わかりやすいのが食べログ、価格.com、トリバゴあたりでしょうか。
これらのサイトは、約50%のユーザーがサイト名で検索するそうです。なぜ、指名検索が大事なのかは、リアル店舗について考えると分かりやすいです。
例えば、ドラッグストアの業界。玉石混交のレッドオーシャン市場ですが、マツキヨやHAC(関東圏だけ?)が圧倒的な集客力を誇っています。
名もないドラッグストアは、ブランドを築いているライバル店が近くに出店すれば淘汰されます。ウェブの業界もまったく同じ話です。
ブランド力がある(指名検索される)サイトが現れると、その他のサイトは淘汰されていくのです。
1-2.人気Youtuberと考え方は同じ
指名検索の重要性を語る上で、Youtuberの世界は大変参考になります。突然ですが、人気Youtuberの定義って何でしょうか?
深く考えるまでもなく、再生数が多いYoutuberですよね。では、どうして再生数が多いのか。こちらも言うまでもなくファンが付いているからです。
回りくどくなりましたが、簡単に言うと指名検索されているYoutuberが人気の証というわけですね。はじめしゃちょー、ヒカキンとファンは指名検索します。
たまたま検索でヒットした記事ではなく、この人の動画が見たいと指名が入るわけです。 キャバクラの本指名と同じです。
もう言わんとしていることはわかるかと思います。私達サイト運営者も指名検索が必要になります。正確には指名検索されないサイトは生き残れないでしょう。
1-3.アフィリエイトサイトも指名検索が重要に
あらゆるメディアの中でも、アフィリエイトサイトは最も指名検索から遠い存在でした。
しかし今は、アフィリエイトサイトでさえも、指名検索が無いと厳しい時代に突入しています。
例えば、激戦ジャンルの脱毛市場で長く勝ち続けているサイトがあります。そのサイトは、指名検索がとにかく多いです。
その数、300回。一般サイトとしては少ないですが、アフィリエイトサイトの中では圧倒的な数字です。
その他、キャッシングでトップを走るあのサイトも指名検索が月間300回超え。絶対数だと少なく感じますが、ライバルサイトを比較した上での相対数では圧倒的な数字です。
SEOは相対評価です。食べログや価格.comに敵わなくても、ベンチマークしている競合を上回ればよいのです。
2.SEOで上位表示するために獲得したい指名検索数の目安
指名検索の重要性がわかったところで、一体どれくらいの数字を目標にすればいいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
2-1.まず目指すべきは1%の指名検索
指名検索が大事なのはわかったけど、どれくらいの数字を目指せばいいのでしょうか。目安ですが、大企業レベルのメディアでなければ、およそ1%取れれば十分です。
大きなECサイトやWEBサービスと比べて難易度はかなり低いです。ですが、1%も指名検索を取れれば、他のメディアを大きく引き離せるでしょう。
少なく感じる1%の指標ですが、実際やってみると案外難しい数値です。 100人に1人は指名検索する人を作る必要があります。
1日1000UU集めるサイトなら、10人は指名検索である必要があります。1日10人の指名検索を取れれば、月間検索数が300を超えます。
指名検索が300回を超えれば、ビッグKWでの上位表示も見えてきます。
実際、ビッグKWで上位表示されているサイトが300回程度の指名検索数です。なお、指名検索はサイト名だけでなく、管理人名(キャラクター)でもOKです。
2-2.多くの方は月間50検索が現実的な目標
以下に当てはまる方は、サイト名の月間検索数300回が一つの目安です。
指名検索300回をクリアすべきメディア
- 500記事超えのメディアを作る
- 人気ブロガー(管理人)として認知されたい
- ビッグKWで上位表示を狙う
しかし、上記に当てはまらない小規模サイトなら、そこまで大きな目標は不要です。
小規模サイトで激戦ジャンルを避けるなら、指名検索数はひとまず50回を目標にするといいでしょう。 月間50回なので1日1〜2人がサイト名で検索してくれればOKです。
検索数は少なくても着実にファンを増やせば、ブランド力は高まります。
月間50回の指名検索が集まれば、ミドルKWはもちろん、激戦ジャンル以外ならビッグKWも十分に狙えるラインです。
3.指名検索を増やすには?
指名検索の目標数値が分かったら、今度はどうやって指名検索数を伸ばしていくのか考えてみましょう。以下の施策を行えば、少しずつ指名検索は増やせます。
ステップ1:固有のサイト名(管理人名)を付ける
指名検索を増やす第一歩が固有名詞(ブランド名)の作成です。やり方は簡単で、サイトにブランド名を付けます。
ブロガーの方やサイトの内容によっては、サイト名ではなく管理人名でブランディングするのもありです。
固有名詞となるサイト名ですが、簡単に変更はできなくなるため適当に決めてはいけません。
例えば、◯◯ナビや◯◯クラブあたりはライバルと被る可能性があります。
ライバルとかぶった場合、ユーザーだけでなくGoogle目線でもブランドサイトとしての認知が弱まります。SEO的にも勿体無いです。
適当な名前はダメ!コツを抑えてオンリーワンのサイト名にしよう
サイト名は、以下を意識して付けるといいでしょう。
サイト名を付けるコツ
- ジャンル名+関連性の無い単語
- シンプルで親しみやすい造語
- 他のメディアにない名前
前者はジャンルを特化したサイト、後者は複数のジャンルを扱うメディア系サイトに向いています。
ジャンル名+関連性の無い単語の例としては、脱毛大学や車買取カフェなどがぴったりです。 ジャンル名が入っているため、ビッグKWでの上位表示も目指せます。
シンプルで親しみやすい造語は4文字程度で覚えやすい言葉がいいです。実在するサイトだと、メリー、タビラボあたりが参考になります。
しょぼいサイトでも先人がいたら、なるべく避ける
サイト名を考えたら、実際に検索して同じ名前がないか確認しましょう。このとき、どんなにライバルがしょぼくても同じ名前があったら考え直した方がいいです。
Googleは最初に名前を作った人を優遇するので、コンテンツで勝っていてもブランド認知してくれない可能性があります。
私も過去に個人の日記ブログとサイト名が被ったことがあり、問題ないだろうと高をくくっていたのですが、結局はブランド認知されず(サイト名検索でも勝てず・・)あとからサイト名を変更しました。
固有のサイト名は浸透するまで時間がかかるのでもったいない事をしたと反省しています。丸1日かかってもいいので、サイト名あるいは管理人名はしっかりと決めた方がいいです。
自分で思いつかない場合は、センスのいい友達から聞いてみたり、雑誌や漫画を参考にしたりすると発想が飛躍します。
ステップ2:コンテンツを充実させる(Googleにブランド認知される)
サイト名が決まったらコンテンツ作成に取り掛かります。抽象的な言い方になりますが、ここで重要なのがコンテンツの充実度です。
どんなに魅力的なサイト名を付けても、コンテンツがしょぼければ意味がありませんよね。
そして、コンテンツが薄いとGoogleが固有のサイトとしてブランド認知してくれません。有象無象の中の1サイトとして、評価されてしまいます。
Googleにブランド認知させるには、コンテンツの充実は欠かせません。
サイトリンクが一つの指標になる
では、どこまでコンテンツを充実させればいいのか?これは、取り組んでいるジャンルやアクセスの集まり方、その他さまざまな要因によって変わります。
50記事、100記事といった記事数で目安を決めることはできません。
そのかわり、Googleのブランド認知に関して一つの指標があります。それが、サイトリンクです。
サイトリンクとは、サイト名で検索したとき、検索結果に表示される内部リンクのことです。
赤枠内がサイトリンク
サイトリンクは2〜6本でます。とりあえず2本でもサイトリンクが出ていればブランド認知されていると考えていいでしょう。
ここでポイントなのが、サイト名が普通すぎると、どんなにコンテンツが充実してもサイトリンクが出ません。
サイトリンクはアクセス数や記事の品質にもある程度比例しますが、そこまですごいコンテンツは求められていません。
私の例だと運営から半年、記事数は100本を超えたあたりでサイトリンクが出ました。
アクセス数は1日100PVくらいで大したことはありませんでしたが、ブランド認知はしてくれました。
他の方のブログを拝見すると、早い人で運営3ヶ月・50記事入稿あたりでサイトリンクが出てくるようです。
サイト名が際立っていればこれくらいのコンテンツ量でも十分にブランド認知してくれるので、一つの目安として参考にして下さい。
良質なコンテンツを書くには?
Googleにブランド認知させるには、良質なコンテンツの更新が必要であるとお伝えしました。ですが、その良質なコンテンツを書くのが一番難しいんだよ・・と思いますよね。
良質なコンテンツを作るにはライティングの技術が欠かせません。 こちらの、「SEOで上位表示するWEBライティング」の記事を参考に、コンテンツの品質を高めてくださいね。
ステップ3:サイトを宣伝する(ユーザーにブランド認知される)
ブランド認知の最終目的にはユーザーにサイト名を知ってもらい、何度も訪れてもらうことです。ユーザーにブランド認知してもらう手段はいくつかあります。
ユーザーにブランド認知してもらう方法
- 記事タイトルにサイトタイルを入れる
- サイト特有の考え方・指針を書く
- SNSで告知する
(1)記事タイトルにサイトタイルを入れる
記事タイトルにサイトタイルを入れるとは、「記事タイトル | サイトタイル」の形にするということです。
この形なら、検索結果に自分のサイト名を露出することもできますし、Googleに対してサイト名をアピールすることもできます。
「記事タイトル | サイトタイル」の例
記事タイトルにサイト名を簡単に入れるには、All in One SEO Packというプラグインを使います(WordPress専用プラグインです)。
All in One SEO Packをインストールしたら、設定画面の「タイトルを書き換える」→「有効」をクリック。
投稿ページのフォーマットを「%post_title% | %blog_title%」に指定しましょう。
All in One SEO Packで記事タイトル書き換え(タップで拡大)
これで、記事タイトルにサイトタイルが含まれるため、よりブランド認知されやすくなります。
※追記
現在は、サイトがブランド認知されたら、Googleが自動的にサイトタイトルを記事タイトルに挿入してくれます。
そのため、All in One SEOなどのプラグインを入れたくない場合は、無理に記事タイトルの挿入設定を行わなくてもいいです(私も2019年から記事タイトルの挿入設定を辞めました)。
(2)サイト特有の考え方・指針を書く
固定のファンを作るには、信頼されるサイトポリシーが欠かせません。サイト特有の考え方や指針をまとめたページを作っておくと、ブランド強化に繋がります。
運営理念のページを作成するとよい
このようなページでは、あくまでサイトの考え方を表明することだけに留めたほうがいいです。売り込みは信頼を下げるので厳禁。
また、記事タイトルにKWを含ませてSEO対策する必要もありません。
(3)SNSで宣伝する
SNSが得意な方は、フォロワーを集めて自サイトを宣伝しましょう。フォロワーを集める時間や余裕がなければ飛ばしても構いません。
検索エンジンだけでも十分にブランド力は高まります。
SNS媒体を利用する際ですが、おすすめはTwitterです。利用者数が多いことに加えて拡散力も桁違いです。
Facebookは、リアルなつながりを大事にするSNSなので、やや拡散力が落ちます。なお、サイトテーマによってはInstagramもおすすめです。
その他のSNSは基本的にスルーで構いません。
4.【まとめ】SEOはブランディングの時代に!指名検索数をどんどん増やそう
この記事では、指名検索の重要性について詳しく解説してきました。指名検索はWEB上のあらゆるメディアで重要となっていくでしょう。
サイト以外でも、メルマガやYoutube、ネットショップも指名検索がないと生き残れません。
SEOの業界は、被リンク合戦→長文合戦を経てブランディングの時代に突入しています。
数年後には、SEOって何?と聞かれたら、「ブランディングのことだよ」といった会話がされているかもしれません。
時代に乗り遅れないように、今のうちから指名検索(ブランディング)の強化に取り組みましょう。