法人なら登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の提出は、頻繁に求められますよね。
登記事項証明書は法務局で発行できるわけですが、これがなかなか面倒。混雑はしていないものの、法務局まで行くのが遠いです。
僕自身、自宅から40分以上かかる法務局へ何度往復したことか。
しかし、登記ねっとを使えば、オンラインで証明書の請求が可能に(システム利用料もない)。法務局へ行く時間をカットできます。
この記事では、登記ねっとで登記事項証明書を交付請求する手順を紹介。実際に郵送で書類が届いたので、その様子を詳しくレポートしていきます。
ぜひ、参考にしてくださいね。
1.はじめに:登記ねっととは?
登記ねっととは、オンラインで登記手続き・証明書の交付請求ができるサービスです。システム利用料はなし。
証明書発行の手数料も、法務局で直接発行する場合と比べてほぼ変わりません(数十円の差)。
同サイトに供託ねっとという、供託手続きサービスもあり(今回は説明を割愛)
不動産登記・法人登記で必要な書類を郵送で取り寄せできるのは非常に便利。
実際に取り寄せてみて、なんでもっと早くこのサービスを使わなかったんだろう・・と後悔しました。
交付請求できる証明書例
- 登記事項証明書(不動産・法人)
- 地図・図面証明書
- 登記事項概要証明書(動産譲渡・債権譲渡)
申請できる登記手続き例
- 不動産登記手続
- 症状・法人登記手続
- 動産譲渡登記手続
- 債権譲渡登記手続
- 成年後見登記手続
- 電子公証手続
2.登記事項証明書なら「かんたん証明書請求」が利用できる
発行する証明書によっては申請ソフトをインストールして電子署名を行う必要があるのですが、「かんたん証明書請求」できる書類なら、面倒な申請は不要です。
登記事項証明書の申請を求められた場合は、このかんたん証明書請求が使えます。履歴事項全部証明書の提出が求められた際も、登記事項証明書の申請にて発行可能です。
なお、登記事項証明書以外だと、登記事項概要証明書(動産譲渡・債権譲渡)、概要記録事項証明書がかんたん証明書請求で発行可能です。
3.【図説】登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を交付請求してみた
手順1:申請者情報を登録する
初めて登記ねっとを利用する場合は、申請者情報の登録が必要です。
ここで、ID・パスワードを発行しましょう。詳しい手順は以下の通りです。
登録作業は5分くらい(会社情報の登録はない)
画面の指示に沿って、必要な情報を入力して下さい。
入力する項目
- 申請者ID
- パスワード
- 氏名
- 住所
- 職業
- 連絡先
- メールアドレス
- 秘密の質問・答え
入力内容を確認して、「仮登録(次へ)」をタップ。
さらに、仮登録完了画面で「発行(次へ)」をタップして下さい。
メールより
メールに認証情報が届くので確認して下さい。
認証情報を確認したら、登記ねっとに戻って入力。
以上で申請者情報の登録は完了です。
登録完了画面
手順2:登記事項証明書を交付請求する
申請者情報を登録できたら、登記事項証明書を交付請求(郵送で取り寄せ)します。
ここでは、商業・法人用の登記事項証明書を取得する手順を解説します(不動産も交付請求可能)。
なお、履歴事項全部証明書の申請を求められた場合も、こちらの手順で申請して下さい(登記事項証明書は履歴事項全部証明書と考えてOK)。
詳しい手順は以下の通りです。
※ここでは、登記事項証明書(商業・法人)を取得します
証明書を発行する会社(通常は自社)を検索します。
検索方法は、会社名称や法人番号が使えます。検索できたら「確定」をタップして下さい。
ここで発行したい証明書の情報を入力・確認します。まず、会社・法人情報と管轄登記所(最寄りの地域のはず)が合っているか確認。
その後、請求事項・証明書種類を選択。最後に、発行したい枚数を入力して「次へ」をタップして下さい。
確認画面にて交付方法が「郵送」になっているのを確認して下さい。
問題なければ「次へ」をタップして、入力内容の最終確認画面で「確定」をタップして下さい。
確定ボタンをタップした後、納付情報のにゅうりょくがめンとなるので、納付者あるいは法人の名前を入力。「確定」をタップして下さい。
次の画面で「送信実行」をタップすれば完了です。
これで、交付請求の申請は完了です。
メニューから「処理状況照会」をタップすると、申請情報が表示されます。
処理状況
申請者情報が表示されない場合は、少し待ってからアクセスしよう
ただ、この状態では手数料が未納なので、証明書が発行されません(納付状況が未納付になっているはず)。
最後に、手数料の納付を行いましょう。
手順3:手数料を納付する
証明書の交付請求には、法務局で発行する場合と同様に手数料が必要です。
納付手続きは登記ねっとから行います。詳しい手順は以下の通りです。
メニューの「処理状況照会」をタップ。申請状況が表示されるので、「納付」のボタンをタップして下さい。
申請者と納付に関する情報が表示されるので、画面下の納付額を確認。確認後、「電子納付」をタップして下さい。
※ペイジーでATM納付もできます
銀行や信用金庫など、お使いの金融機関を選択してください。
ネットバンキングより
ここから自動で金融機関のサイト(インターネットバンキング)に繋がります。払込先や納付額を確認してお支払いして下さい。
※納付額以外の手数料はかからない
以上で、手数料の納付は完了です。
登記ねっとの処理状況照会ページに戻ると、納付状況が「納付済み」になっているのを確認できます。
納付済みを確認
手順4:証明書を受け取る
納付後は特にやることはありません。法務局から証明書が郵送されるのを待つだけです。
こちらが、郵送された登記事項証明書(履歴事項全部証明書)です。
法務局から郵送
書類も問題なし
届くまでの日数は4日でした。取り立てて早いわけではありませんが、急ぎでない場合は十分。
1週間くらいかかると思っていたので、予想以上に早いと感じました。
なお、証明書の内容ですが、当然ながら法務局で直接発行するものと変わりません。
4.登記ねっとを利用する際の注意点
便利な登記ねっとですが、以下の注意点があるため利用する際は気をつけてください。
注意点1:発送スピードは法務局によって異なる
気になるのが、申請から受け取りまでの期間ですよね。便利に証明書を交付請求できるのはいいのですが、時間があまりにかかると困るかと思います。
こちら残念ながら、受け取りまでどれくらいの期間がかかるかは、ハッキリと決まっていません。法務局の仕事ぶりによって変わります。
口コミを見ると、即日で発行してその日のうちに送ってくれる場合もあるようです。僕の場合は、納付後4日かかったので少し時間がかかりました。
ざっくりですが、土日祝を抜いて2〜6日くらいかかると考えておきましょう。申請を急いでいる場合は、法務局に直接取りに行くほかありません。
受取日の指定は不可
注意点2:申請時間が決まっている
登記ねっとはオンラインサービスなので365日24時間申請できるかと思いきや、利用時間が決まっています。
21時以降は平日でも手続きできないので注意。また、休日も手続き不可となるため、大型連休や年末年始はしばらく利用不可となることを覚えておきましょう。
5.【まとめ】オンラインで必要書類を取り寄せよう
この記事では、登記ねっとを使って登記事項証明書を郵送で取り寄せる方法について解説してきました。
近くに法務局があればいいのですが、遠い人にとってはかなり面倒な証明書発行&登記申請。しかし、登記ねっとなら、オンラインで簡単に申請できます。
特に、登記事項証明書は申請者情報さえ作ってしまえば、あとは簡単な入力だけで申請OK。手数料の支払いも、オンラインで完結します。
あまり急ぎではないけど、証明書の請求が必要な方は登記ねっとを利用してみましょう。