楽天カードには、海外旅行保険(海外旅行傷害保険)が付いています。年会費無料なのに、その充実ぶりは凄いです。
ただ・・、海外旅行保険があるといっても、その内容を完璧に理解するのは難しいです。普段、あまり接する機会のない保険なので当然のことです。
この記事では、海外旅行保険って何?という初心者でもわかるように、保険適用の条件から申請方法まで詳しく解説してみました。
正しい知識を身につければ、楽天カードは海外旅行で強い味方となります。ぜひ、参考にして下さいね。
1.まずは楽天カードの海外旅行保険を理解しよう
1-1.【一覧表】適用される保険の種類と保険金額
まずはこちら。楽天カードで適用される海外旅行保険の種類と金額表です。
保険の種類 | 保険金額(限度額) |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 2000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 |
賠償責任(免責なし) | 2000万円 |
救援者費用 | 200万円(年間) |
携行品損害(免責金額3000円) | 20万円(年間) |
航空便遅延保険は含まれない
解説
- 傷害死亡・後遺障害:海外滞在中の死亡あるいは後遺障を患った際の保証
- 傷害治療費用:渡航先で怪我を負った際の保証
- 疾病治療費用:渡航先あるいは帰国後48時間に発病した際の保証
- 賠償責任:意図せず物損したり相手に怪我を負わせたときの保証
- 救援者費用:渡航先で救助要請したときの保証
- 携行品損害:所持品を盗難されたり破損したときの保証
上記の保険内容は、以下の楽天カードですべて同じとなります。
楽天カード・楽天ANAマイレージクラブカード・楽天PINKカード・楽天ゴールドカード・楽天銀行カード
※楽天ブラックカード・楽天プレミアムカードは保険内容が異なる
保険の適用期間は3ヶ月
海外旅行保険の適用期間は3ヶ月(3ヶ月後の24時まで)です。一時帰国した場合はリセットされて、再度3ヶ月の適用期間となります。
1-2.家族カードも適用OK(ただし18歳以下は不可)
楽天カードの海外旅行保険ですが、「家族カード」にも適用されます。
家族カードは、本カードの家族なら審査不要で無料発行できる
ただし、一つ注意したいのが、18歳以下は楽天カード(家族カードを含む)を発行できないこと。
仮に、家族3人で旅行に行った場合、家族カードを持てない子供だけが保険対象外となってしまいます。
楽天カードには、家族特約(家族全員を保証)が無い
1-3.重要:保険適用には簡単な条件がある(利用付帯)
楽天カードの海外旅行保険は、自動付帯ではなく利用付帯に分類されます。
利用付帯とは、「旅行に関する支払いを行うことで保険が付帯する」という意味を持ちます。つまり、保険適用に条件が付くということです。
条件と言っても、非常に簡単なので心配は不要です。楽天カードの場合、以下のケースで利用付帯の条件を満たせます。
適用条件(どちらかでOK)
- 出国前に公共交通機関の移動料金を楽天カードで支払う
- 海外旅行代金(航空券やツアー代金)を楽天カードで支払う
条件1:出国前に公共交通機関の移動料金を楽天カードで支払う
こちらは、出国前の移動料金を楽天カードで支払えばOK。1円以上の決済で構わないので、一部の移動だけ楽天カードを使うのもありです。
電車・バス・タクシー・航空機(国内移動)
利用シーンとしては、成田空港へ向かうまでの新幹線の代金を楽天カードで決済。
あるいは、空港の近くからタクシーでワンメーターだけ移動、といったケースでも適用されます。
電子マネー(Suica・PASMOなど)のチャージのみはダメ。電子マネーを使う際は、チャージだけでなく支払いを証明できる領収書が必須となる。
条件2:海外旅行代金(航空券やツアー代金)を楽天カードで支払う
こちらは、シンプルに事前の海外旅行代金を楽天カードで決済していればOK。
予約した航空券(乗継便でも可)や海外パックツアーの代金支払いでも適用されます。楽天ユーザーなら、楽天トラベルの支払いを楽天カードで行うのもいいですね。
1-4.楽天カードを持っている同伴者なら、支払いの紐付けで保険適用
例えば、友達4人で旅行に行った場合。一人が幹事になって旅行代金(全員分)を楽天カードで全額支払い。
残り3人ついてですが、楽天カードを持っていれば保証対象となります。
ポイントは、4人分の旅行代金を支払っていること。
仮に3人分の旅行代金なら、残り一人は楽天カードを持っていても同伴者としての紐付けができない(保険対象外)のでご注意を。
2.【考察】楽天カードの海外旅行保険は必要十分なのか?
2-1.アジア圏&物価の安い国なら問題なし(傷害治療・疾病治療費用が200万円なので)
まず、海外旅行保険が必要十分かどうかの指標は、傷害治療費用と疫病治療費用の保険金額で判断します。簡単に言えば、怪我や病気の際の保険金額に着目するということです。
実際の保険申請は、傷害治療費用と疫病治療費用が9割を超える
楽天カードでは、傷害治療費用・疫病治療費用に対してそれぞれ200万円の保険金額(1事故・1疫病あたり)が降ります。
ということは、渡航先の診察や治療で200万円を下回れば、全額保険でカバーできるということです。
結論から言うと、アジア圏と物価の安い国は、200万あれば十分にカバーできます。 とくに、東南アジアは余裕でカバー。
一部、アジア圏でも保険適用の200万円を超えそうな国は、シンガポールと香港です。この2カ国はアジアでも物価が高い国なので要注意です。
2-2.医療費の高いアメリカ・ヨーロッパは要注意
アメリカとヨーロッパは医療費が高いことで有名です。現地の人は、高い税金を収めているので安価なのですが、わたしたちは外国人となるため100%負担に。
特に気をつけたいのが、日本人に人気のハワイ。重大な怪我・病気にかかれば、500万円を超える医療費を請求されることもあります。
補足:盗難の多い国は携行品損害でカバーできる
ちなみに、海外は日本では考えられないほどスリが多いです。
もし、盗難の被害にあった場合は、20万円までなら携行品損害でカバーできます。日本人が盗まれやすいiPhoneも保険対象です。
2-3.心配なら年会費無料のエポスカードで、保険の上限額を上げておこう
お伝えしてきた通り、香港、シンガポール、ヨーロッパ、アメリカでは楽天カードだけで全額を保険でカバーできない可能性があります。
心配な場合は、楽天カードの他にもう一枚クレジットカードを作成しておき、保険金額の上限を上げておきましょう。
海外旅行保険に強いおすすめクレジットカードは、「エポスカード」です。
エポスカードは、楽天カードと同じく年会費無料。さらに、自動付帯なので、所持しておくだけで保険適用されます。
楽天カード・エポスカードの保険金額
楽天カード | エポスカード | |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 ※合算不可 |
2000万円 | 500万円 |
傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 | 270万円 |
賠償責任 | 2000万円 | 2000万円 |
救援者費用 | 200万円 | 100万円 |
携行品損害 | 20万円 | 20万円 |
例えば、傷害治療費用の場合、楽天カードとエポスカードで保険金額を合算できるため、上限が400万円(200万円+200万円)となります。
同様に、疾病治療費用なら470万円、携行品損害なら40万円に。
傷害死亡・後遺障害以外は、すべて合算OK
傷害治療費用が400万円、疾病治療費用が470万円もあれば、医療費の高い国でも100%とは言いませんが、ほぼ完璧にカバーできます。
エポスカードも楽天カードと同様に1週間程度で作成可能。渡航まで時間に余裕があるなら、2枚同時に作成しておくといいですよ。
3.楽天カードの海外旅行保険を利用する流れ
3-1.病気・怪我の場合は、現地で診察したあとサポートデスクに連絡
渡航先で病気・怪我を負った場合は、現地の病院で診察してもらい領収書と診断書を取っておきます。
その後、帰国してからサポートデスク(0120-456-029)に連絡して保険金を請求します。
救護者・賠償責任のときは、帰国前に連絡しておこう
救護者・賠償責任は、仕組みがやや複雑なので、事案が起こった段階でサポートデスク(81-18-888-9289)に相談しておくことをおすすめします。
保険金の請求は、帰国後に行います。
3-2.現地でお金が無くてもOK!キャッシュレス診療も使える
キャッシュレス診察とは、その名の通り手持ちの現金がなくても現地で診察を受けられるサービスのことです。
通常、保険適用と言えば、現地の診察料を自分で払い、あとから保険会社に請求する流れとなります。
しかし、キャッシュレス診察なら診察もスムーズですし、何より高額負担でも先払いしなくていいので安心です。
楽天カードはキャッシュレス診察に対応。もし、渡航先でキャッシュレス診察を行う場合は、以下の流れで申請しましょう。
キャッシュレス診察の流れ
- サポートデスク(81-18-888-9289)に連絡する
- 怪我・病気の状態とキャッシュレス診察希望の旨を伝える
- 指定の病院に向かう
注意点として、キャッシュレス診察は指定の病院でないと対応してくれません。
そのため、万が一指定病院が近くにない場合は、先に自己負担する必要があることを覚えておきましょう。
心配なら、渡航前にキャッシュレス診察対応の病院をサポートデスク(0120-456-029)に連絡して調べておこう
3-3.携行品損害(物損・盗難など)は警察に連絡した後、保険金請求
携行品損害の被害にあった場合は、まず現地の警察へ連絡しましょう。そのとき、事故証明書をもらってください。
物損事故の場合は、修理見積書や損害証明書などをすべて取っておきましょう。
その後、帰国してからサポートデスク(0120-456-029)に連絡して保険金を請求します。
3-4.心配なら出国前にお問い合わせできる
保険の適用や申請方法について心配なことがあれば、出国前にサポートデスク(楽天損保)に相談することが可能です。
何でも相談に乗ってくれるので、不明な点はすべて質問しておきましょう。通話料は無料ですよ。
0120-456-029(年中無休、24時間)
もし、上記の電話番号に繋がらない場合は、018-888-9289(年中無休、24時間)に連絡して下さい。
4.補足:海外旅行中でも海外アシスタンスサービスで、いつでも相談OK
渡航先でのトラブルは、想像以上にパニックとなります。さらに、現地でのやり取りは当然ながら日本語不可。
落ち着いて、病院や警察に行けない状況も想定されます。
そんなときは、楽天カード所有者なら誰でも無料で使える海外アシスタンスサービスを利用しましょう。連絡先は、保険のサービスデスクと同じです。
81-18-888-9289
緊急医療に関する相談は、以下の電話番号で対応してくれます。
緊急医療アシスタンスサービス
- アメリカ(グアム・ハワイ・サイパン):1-833-906-0004
- シンガポール:800-810-2474
- 中国(北部):108000-813-0855
- 中国(内部):108000-481-3225
- その他の地域:81-18-888-9915
5.【まとめ】楽天カードは海外旅行保険あり!年会費無料でも充実の内容です
この記事では、楽天カードの海外旅行保険について詳しく解説してきました。
年会費無料の楽天カードですが、手厚い海外旅行保険が付くのは大きな魅力。 利用付帯なので、適用条件が付きますが、渡航前に旅行に関する決済を1円以上行うだけなので簡単です。
楽天カードの保険金額だけでほとんどの国はカバーできますが、アメリカ・ヨーロッパなど医療費の高い国はすべてを賄えない可能性があります。
その場合は、別のクレジットカードも1枚持っておくと安心ですよ。
保険の申請は、帰国後となります。その際は、現地での領収書や証明書などが必要となるため、大事に取っておきましょう。
保険に関して何かわからないことがあれば、渡航前・渡航中ともにいつでもサポートしてくれますよ。