この記事のポイント
- 楽天モバイルは2020年4月から、本格的にキャリア移行を開始した
- 現状、携帯事業が成功していると断言できないが、懸念されていた回線設備の問題はクリアしている
- 巨大な楽天経済圏の強みを活かせば、将来性は十分にあると期待できる
「第4のキャリア参入で楽天モバイルの今後はどうなるの・・?」
au・ドコモ・ソフトバンクに続き、第4のキャリアとしてサービスを開始した楽天モバイル。独占状態の業界に風穴を開けると期待されています。
そんな楽天モバイルですが、今後の展望はどうなるのでしょうか。携帯事業は成功するのか、あるいは失敗するのか。
この記事では、携帯業界全体から俯瞰して、楽天モバイルのキャリア参入を考察していきたいと思います。
OUTLINE -読みたい項目をタップ-
楽天モバイル(UN-LIMIT)
月額料金 | 解約金 | オンライン契約 | iPhone利用 |
---|---|---|---|
2980円 | 0円 | 可 |
可 |
※1年無料は残り100万人で終了
1.楽天モバイルのキャリア参入をおさらい
2018年、ついに楽天モバイルがキャリア事業の参入を宣言。総務省から1.7GHz帯の免許が付与されました。
携帯事業は電波の割当が必須なので、厳しい審査があります。楽天は1.7GHz帯と3.4GHz帯で電波の利用を申請していましたが、LTE向けの1.7GHzで審査が通りました。
2019年4月には、ドコモ・au・ソフトバンクに続いて楽天モバイルに5G周波数帯が割り当てられることが決まりました。
そして、2020年4月に楽天回線を使った楽天アンリミットを発表。au回線を併用しながらのスタートです。
事前の予想では、4000円くらいの料金が予想されていましたが、なんと2980円でデータ使い放題に。閉塞した携帯市場に凄まじいインパクトを与えました。
今のところ、回線パンクなどの不具合は起きていません。通信速度も良好です。
楽天アンリミットに契約
こちらが、計測した実効速度です。
楽天アンリミットの実効速度
計測時間 | 実効速度(Mbps) | |
---|---|---|
楽天回線 | パートナー回線 | |
12時台 | 15.3 | 15.3 |
15時台 | 24.2 | 21.0 |
17時台 | 9.51 | 25.2 |
23時台 | 25.8 | 21.0 |
※横浜市内(田舎寄り)で測定
結果は、10~25Mbpsあたりのレンジに収まりました。楽天回線エリア外ではパートナー回線エリア(au)に繋がりますが、両者の速度はほぼ同じでした。
体感は、au・ドコモ・ソフトバンクと変わらない使い心地です。
CHECK!
2.楽天モバイルの今後の展望を考察
にわかに盛り上がる楽天のキャリア参入。しかし、本当に上手くいくか懐疑的な声も少なくありません。
ここでは、独自の見解と過去の例から、楽天のキャリア事業について今後の展望を予想してみます。
現状、携帯事業は成功か?
結論から言うと、まだ成功・失敗は判断できません。
楽天モバイル株式会社の決算を見ると、まだ大幅な赤字です。ただ、赤字なのは投資フェーズだからであって事業が失敗しているわけではありません。
むしろ、完全仮想化したクラウドネットワークでの回線構築成功(世界初)は、評価されるべきです。
今後、クラウドの技術をB to B で売っていくことも考えれます。
投資家の評価は冷ややかだった
楽天モバイルのキャリア参入を発表した時、多くの投資家は失敗すると予想しました。その証拠に、キャリア参入を発表あと楽天の株価は下落。
楽天が苦戦すると予想された理由が、設備投資です。
2025年までに6000億円を設備投資すると発表されていますが、6000億で足りるはずがないと様々な報道機関から指摘されています。
この意見に対して三木谷氏は、
- AI(人工知能)を活用して投資先を効率化できる
- 3Gを切り捨てて4Gに特化することでコストカットできる
の2点で反論していました。市場からの評価は低かったものの、いざ蓋を開けてみれば仮想化された回線構築に成功。
当初の予想より順調に事業が伸びています。
過去にキャリア化を目指した携帯会社は次々と失敗
今のところ好調な楽天モバイルですが、過去の例を見ると携帯議場のキャリア参入は非常に難しいことが分かります。
キャリア参入に失敗した通信事業者
- BBモバイル
- イーモバイル
- アイピーモバイル
この3社はキャリアとして地位を確立することはできませんでした。そもそも、キャリアとしてまともにサービスを開始できたのはイーモバイルだけ。
最終的には、BBモバイルとイーモバイルはソフトバンクグループに買収、アイピーモバイルは自己破産して会社自体が消滅しています。
これらの現実を見ると、携帯事業のキャリア参入がどれほど難しいのか分かりますね。
ただし楽天は、今ままでの通信事業者と違い資本を持っているため、成功確率はぐんと高いはずです。
ちなみに、イーモバイルはワイモバイルにブランド名を変えて生き残っています(ソフトバンクグループの元で、独自回線を保有する実質キャリアとして地位を確立)。
楽天経済圏の強みを活かせば将来性は十分
楽天の強みは、何といっても超強力な楽天経済圏を持っていること。
楽天モバイルが、MVNO(格安SIM)時代に市場で1位を取れたのは、楽天特有の特典(楽天会員割やポイント付与)があったからでしょう。
楽天経済圏の強さについては、他の携帯会社も嘆くほど強烈。9000万人の楽天ユーザーに対して、1%でもポジティブな反応があれば一気に楽天キャリアのユーザーは増えるでしょう。
2000万人を超える楽天カードユーザーにも、魅力的な提案ができれば、さらに楽天キャリアの契約数を伸ばすことができるはずです。
なお、第4のキャリア参入に関して、三木谷社長のこんなツイートを見つけました。
楽天の携帯事業参入意向表明。カード事業参入の時も、色々と言われたが、10年が経ち、取扱高、利益水準も業界トップ(クラス)になった。MVNOの好調さ、9000万人を超える会員ベースを考えても、参入は自然な流れだと思う。もし認められれば、より快適で安価なサービスが提供できるように頑張ります。
— 三木谷浩史 H. Mikitani (@hmikitani) 2017年12月18日
クレジットカード事業に参入するとき、色々言われたそうで・・。メガバンクに勝てるわけないなど、非難されたのでしょう。
しかし今や、楽天カードはユーザー数No.1のクレジットカード。きっと携帯キャリア事業も10年後には、業界をひっくり返すほどのインパクトを残しているはずです。
具体的には、2028年を目処にユーザー数1000万人を狙うとのこと。楽天ならやってくれそうな気がしますね。
3.旧MVNO事業はどうなる?
結論から言うと、旧MVNO事業は徐々にMNO(キャリア)に移行していき、最終的には無くなります。
既に、MVNO時代の目玉プランだったスーパーホーダイは契約できません。既存ユーザーに対しては、順次新しいSIMカードが送付されています。
その他、極端な端末値引き(通称:三木谷割)も終了。こちらは、キャリア移行より携帯業界全体の分離プラン移行(2019年10月~)が影響しています。
4.キャリアの意味と携帯業界の問題点
通信業界で使われるキャリアとは、通信サービスの提供者を指します。
carrierは運搬・運送するという意味を持ちますが、通信・回線の提供と運搬を同じ意味と捉えてキャリアと言われるようになったのです。
ちなみに、仕事の経験や昇進の意味で使われるキャリアは、careerが語源です。読み方は同じですが、意味は異なります。
携帯業界のキャリアは、ドコモ・au・ソフトバンクの3社。ご存知の通り、独占市場です。
本来なら独占禁止法に触れてもおかしくありませんが、インフラ事業に近いこともあり黙認されてきました。
しかし最近では、総務省指導の元、MNVO事業の活性化や契約縛りシステムの指摘などが行われています。
そして、第4のキャリアとして業界に風穴を開けると期待されているのが楽天です。楽天の存在で健全な価格競争が生まれるなら、ユーザーにとっては大変ハッピーです。
5.まとめ
楽天のキャリア事業参入は、失敗するとの意見もありますが、そう簡単に楽天が転ぶとは思えません。
事実、難しいと言われた回線設備の問題も、今のところクリアできています。
過去の失敗例から、総務省は電波の使用権を渡すことに慎重になっているはずですが、楽天に対しては使用を認めています。
プレゼンで信頼を裏付けるデータがあったのでしょう。
今後の展望はどうなるか分かりませんが、携帯業界の競争を促す楽天モバイルに対して私達は歓迎すべきです。将来性も十分なので、今後の展開が楽しみです。
キャンペーン速報
ここだけの話、楽天アンリミットは解約金が無いのでキャンペーン目当てで契約するのもありです。
注目は、300万人限定の1年間の無料(2980円×12ヶ月)のキャンペーン。2020年4月からのキャンペーンなので上限はもうすぐだと思われます。
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